マネジメントを行う上で、メンバーの話をただただ聴くことは大切であり、その行為は想像以上に実は大変なことであると、以前の記事で書きました。実は聴き終わった後も辛いことがあります。今日はその事について考えてみたいと思います。
メンバーの話をよく聴くことは、自信喪失にも繋がる
メンバーの話をただただ聴く行為で大切なのは、自分の考えを一旦脇に置くことです。メンバーの立場に立って、メンバーの肩越しから自分を覗くような感覚を保つことです。聴いている途中も違和感だらけです。でも、真に大変なのは全部の話を聴き終わった後だったりします。「メンバーはこんな風に考えていたんだ」「メンバーからはこんな風に見えていたんだ」と気づくからです。これは素晴らしいことである反面、自分に対しては辛い作業を強いることもあります。自分のこれまでの考えや行為に対して疑問を抱くことにも繋がることにもなるからです。いわゆる無知の知っ奴です。自分に自信がある管理職ほど辛い経験です。私は管理職の駆け出しの頃、メンバーの話が聴くことが全くできていなかった経験があります。人材育成やマネジメントの知識があったり、過去のメンバー育成での成果に自信も持っていたからです。でも蓋を開けてみれば、私の空回りもいい所でした。メンバーから本音を引き出すまでに1年間もかかりました。メンバーに対して、なんて独りよがりのアプローチをしてしまっていたのだと、自信喪失したことがあります。まあ当時はショックでしたがマネジメント経験初期にこのような経験を詰めたのはラッキーでした。
自分をリスペクトしだしたら、気をつけろ
普通は自分の考えをリスペクトして、メンバーの考えを疑う管理職がほとんどです。「だからあいつは間違っている」「あいつの言葉は信用ならない」と力強く語る管理職は要注意です。そうなったらメンバーと対話することはできないし、チームで成果を上げることも難しいでしょう。メンバーとの対話は、いつも自分の自信を揺るがします。自信や考え方が揺るぐことで自身の成長の糧も獲得できますが、「学びはいつも痛みを伴う」ことなのかもしれません。