クマ坊の日記

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【マネジメント】メンバーの話を聴いただけでは、マネジメントは機能しない

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管理職は職場の方針を検討する際に、メンバーから話を聴くことが大切であると伝えました。ただ話を聴くことによって陥りやすいマネジメントの罠もあります。今日はそのことについて考えてみたいと思います。

話を聴くだけでは成果は上がらない

もしあなたの前任の管理職がメンバーから意見やアイデアを求めない人だったとしましょう。そんな職場にあなたが新しく赴任し、まず初めにメンバーに話を聴けば、間違いなくメンバーからは歓迎されるでしょう。「新しい上司はこれまでとは違う」「我々のことを尊重してくれる」そんな期待感に職場は包まれると思います。また、話を聴くことで、より現場の問題について把握するのが楽になります。しかし、ここにマネジメントが陥りやすい罠があります。現状を把握するだけでは仕事の成果は上がらないし、問題が把握できても管理職ひとりだけでは解決しないということです。

メンバーを巻き込む

大切なことは、話を聴くだけで終わらさないことです。メンバーを巻き込んで問題解決の当事者に引っ張りこむことです。そこで便利な言葉があります。「で、○○さんは、どうしたい?どうしたらいいと思う」と質問することです。きっと素晴らしいアイデアをメンバーは持っているはずです。メンバーから提案された解決策の方向性に異論がなければ、後はメンバーに任せて支援に徹することです。全ての職場の問題を管理職だけで解決することは不可能です。メンバーの力が必要ですし、どうせ任せるのであれば主体的に関わってもらった方がいいです。上司から指示された完璧なプランを実行するだけよりも、自分が考えた完成度6割の計画を主体的に実行してもらったほうが生産性が高いです。上司が留意すべきは、メンバーが考えた問題解決策が明後日の方向になっていないかだけを確認することです。流石にメンバーの主体性に任せるとはいえ、最初のボタンを掛け違えるのは時間の無駄ですから。issue の設定だけは外さないようにしなくてはいけません。放任と任せるは違いますから。

司令塔タイプは危険

メンバーの話を聴いて、管理職が司令塔タイプだと職場のマネジメントは上手く回りません。周囲のメンバーは司令塔である管理職に依存するようになります。厄介なのは表面上は依存ではなく、上司の有能さへの信頼という形で表出されます。メンバーからの期待を感じれば、上司は期待に応えようと頑張ります。自分ね有能さを証明しようとします。その結果、仕事を抱え込む悪循環に陥ってしまう危険性があります。