今週ははデザイン思考のマインドについて解説しています。今日はプロセスについて書きたいと思います。
観察
ここが一番難しいです。ただ見ているだけでは何も見つかりません。かといって何か見つけてやろうと思っても見つかりません。大切なのは顧客の立場に立って観察することです。人は誰でも色眼鏡を持っています。それを自覚しつつ顧客を観察できるか否か、教科書的には「共感」する力です。熱い思いを抱きつつクールに観察するといった感じです。
仮説を構築する
観察した事象から何が本質的な問題かを探求します。「こんなことが問題になっているのではないか?」と仮説を構築します。仮説の構築もセンスがいります。仮説が浮かばない時は、「不」を意識してみます。不満、不快、不安、不足、不自由などです。このような「不」はビジネスに繋がりやすいからです。
アイデアを拡散させる
仮説を構築できたら、アイデアを思いっきり拡散させます。このプロセスで大切なのは質より量。何でもありの心理的安全性も重要になります。
試作する
コンセプトが見えてきたら、まず試作品を作ってみます。このプロセスで重要なことはスピードです。不完全でもいいので試作品を作ってユーザーに試して反応を確認します。そして改善を繰り返して完成品に近づけていきます。このスピード感が日本企業では出せない点です。
集団天才
勘のいい読者はもうお気づきかと思いますが、デザイン思考を1人で実践できる人材は多くはいません。しかし、安心してください。1人で無理なら寄ってたかってチームで取り組めばいいんです。人にはそれぞれ長所があります。「観察が得意な人」「人とは違った切り口で問題を考えられる人」アイデアはそれかそ、個人の経験がいきてきます。自分では普通だと思っていても、他人から見たら目から鱗のようなアイデアや情報はごまんとあります。ブロガーの皆さんはそんな感覚をお持ちだと思います。
1人の天才が世界を変える発明は凄いですが、凡人が集まって世界を変えることもできます。それが「集団天才」です。
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デザイン思考が実践できない訳
しかし、集団天才を発揮できる職場は少ないです。皆さんも実感値として経験があると思いますが、上司と部下、年齢差、企業文化、恥の意識、会社方針、など個人が思いっきり自由に発言するのを疎外するハードルが沢山あるからです。誰もが生きていかねばなりません。自己保身の意識が先行するのは当然です。
だから、デザイン思考を表面的に真似ても素晴らしい商品開発には結びつきません。