クマ坊の日記

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【リーダーシップ】PIXARのリーダーシップ

 

トイ・ストーリー4 (吹替版)

トイ・ストーリー4 (吹替版)

  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: Prime Video
 

以前の記事でマッチョ型リーダーシップの絶頂と終焉と言う記事を書きました。今日は最新のリーダーシップ研究の一つを紹介します。その一つがトイ・ストーリーで有名なPIXARのリーダーシップです。

 

 

ピクサーのリーダーは誰?

トイ・ストーリー」や」「ファインディング・ニモ」「モンスターズ・インク」などの作品を世に送り出しているスタジオと言えばPIXAR社です。娘ともども毎回お世話になっています。リアルタイムでPIXARの作品を見れる私達はラッキーだなと思います。さて、ではPIXAR社のトップは誰?と聞かれてすぐに答えられる人は何人いるでしょうか?世界初のフルCGアニメーションという画期的なイノベーションを生み出したスタジオにかからず、リーダーを想起するのが難しい。同じかアニメてもスタジオジプリなら宮崎駿。ディズニーだったらウォルト・ディズニーはアニメ好きでなくても想起できるのではないでょうか。イノベーションを起こしてきた企業を調べてみると、たった1人の天才からスタートしている企業は実は少なくて、組織のメンバーの才能を集めてイノベーションを起こしている企業のほうが実は多かったということがわかってきました。

 

集合天才!

組織のメンバーの才能を集めてイノベーションを起こすリーダーシップ理論として、近年注目されているのがコレクティブ・ジーニアスです。日本語訳すれば、集合天才ですね。この考え方を提唱しているのはハーバード大学のリンダ・ヒル教授です。リンダさんは元々、変革型リーダーシップで有名なジョン・P・コッター教授に師事していました。イノベーションを起こすリーダーがリンダさんの研究テーマでした。当初の仮説は、変革型リーダーシップでした。「マッチョなリーダーがいて、素晴らしいビジョンを掲げるところからスタートするんだろう」と仮説を持っていました。しかし、イノベーションを起こしている企業を調査すればするほど、変革型リーダーとは全く違うリーダーシップが起こっていることに驚きます。

 

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メンバーの才能を集めてイノベーションを起こすために必要なこと

では、個人の才能を集めてイノベーションを起こすにはどんなポイントがあるのでしょうか?

  1. 創造的な摩擦
  2. 小さい実験を猛スピードで繰り返す
  3. 足して2で割るはしない。1+1=3にする

「創造的な摩擦」とは、ガンガン異なる意見をぶつけ合う文化をつくることです。そもそも多様な意見が必要なので多様なメンバーを集めます。異なる意見は当然対立を生み出します。異なる2つの意見が出た時に、どちらかに加勢した意思決定をしなかったそうです。とにかく聞いて聞いて、メンバーからアイデアを引き出していました。そして、対立がエスカレートとして個人の対立になりそうになると、プロジェクトの目的に立ち返るように議論を誘導していたそうです。「そもそも私たちが実現したいことは、何だったんだろう?」目的がブレないことで、アイデアの対立を引き起こしてもそれがチームの空中分解につながらないようハンドリングしていたとのことでした。「小さな実験」とは言葉の通りで、まずはアイデアが生まれたらすぐに手足を動かしてプロトタイプを作って実験してみる。試してみて、学習して、完成品に近づいていく。

 

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三つ目の「足して2で割るはしない」は、妥協したアイデアに落ち着かないで、異なる意見をぶつけて新しいアイデアを生み出す粘り強さです。たくさんアイデアが出ると折衷案だったり、多数決で決めてしまうことも多いかと思いますが それをしないんですよね。遠心力と求心力を絶妙なバランスでハンドリングする。そんなリーダーがこれからは求められているのかもしれません。