クマ坊の日記

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【ビジネススキル】顧客の声を聴いて、聴いて、聴きまくる

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前回までビジネスモデルキャンパスの考え方について書いてきました。でも、実際に新規事業を立ち上げる際はまだ入り口のはるか前方にいるに過ぎません。いくら立派なビジネスモデルが描けても、動かなければ立ち上がりませんから。ここからが、新規事業の立ち上げの真のスタートになります。

顧客の声を聴いて、聴いて、聴きまくる

ビジネスモデルキャンパスについてこれまで説明してきました。しかし、最も効果を発揮するのは次のステップです。次のステップとは自分たちの仮説を顧客にヒアリングして検証していく作業の時です。自分たちが考えたビジネスモデルのどこがイケているのか、逆にどこがダメダメなのかを確認する際に役立ちのです。

仮説検証を繰り返しながら、プロトタイプを作成してまた顧客に聴いて、聴いて、聴きまくる。その作業を繰り返しながら自分たちのビジネスモデルを固めていきます。以前の記事にも書きましたが、このような進め方をリーンスタートアップといいます。エリックリース氏の本はスタートアップの教科書です。日本では田所さんが書いた「企業の科学」を良書ですよ。

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リーン・スタートアップ

リーン・スタートアップ

 
起業の科学  スタートアップサイエンス

起業の科学 スタートアップサイエンス

  • 作者:田所 雅之
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: 単行本
 

リーンスタートアップをざっくり説明する 

ビジネスパーソンで新規事業を担当することになったら是非、この2冊は読んで欲しいですが、ざっくりリーンスタートアップについて解説してみたいと思います。リーンスタートアップとは一言で申し上げれば「無駄なく、新しい事業を立ち上げる」ということです。ちょっと脱線しますが、このリーンスタートアップという考え方は、トヨタ自動車トヨタ生産方式から着想されています。スタートアップ企業はカネも時間もないわけです。つまり早く事業化せねばDieが待っています。そのためリソースを無駄にすることなく事業化することが成功のポイントであるわけです。リーンスタートアップの特徴はざっくり3つです。

  1. ピボットが前提
  2. MVPで仮説検証を繰り返す
  3. アーリーアダプターを狙え

ピボットが前提

新規事業を立ち上げる担当者は、自分のアイデアに自信があります。「顧客が望んでいるはず!」「絶対、売れる!」時間と労力をかけて考えついた新規事業なわけですから、"思い入れ”があって当然です。"思い入れ”があるぐらいでないと新規事業は成功しません。しかし、怖いのは"思い入れ"が"思い込み"に変わることがよくあるということです。そうすると自分が聴きたい顧客の声だけを採用しがちになります。思いがあればあるほどこの傾向は強いでしょう。そこで大切なのはピボットという考え方です。ピボットとは方向転換です。方向転換を行いながらブラッシュアップしていきます。例えばインスタグラムは元々、位置情報アプリの開発からスタートしました。しかし、顧客の声を聴くうちに写真に特化したほうがよさそうということでピボットして成功しました。ただ、ピボットは重要性を語るのは簡単ですが実際に決断するのは難しいです。リソースをつぎ込んでいるのに、方向転換するわけですから。まだ一人仕事であればいいですが、開発には他のメンバーも携わっているわけです。モチベーション落ちまくりです。モチベーションが落ちるくらいならいいほうで、チーム解体することもあります。だから大きなピボットは2回ぐらいまでが限界のように個人的には考えます。初めからピボットありきで新規事業を考えるのはとても重要な姿勢です。

 

MVPで仮説検証を繰り返す

MVPとはMinimum Viable Productの略です。「必要最小限の機能をもち、実用できるサービス」という意味です。新規事業は初めての製品・サービスなので顧客もイメージができません。そのため、試作品を用意するわけです。形があったほうが、顧客も答えやすいし、反応も観察できますから。ポイントは時間とカネをかけないことです。またMVPは多種多様です。完成形に近いMVPもあれば、機能を確認するためのMVPもあるということです。あとはとにかくスピード、スピード、スピード。スピードが命です。

 

アーリーアダプターを狙え

アーリーアダプターとは、新しい製品・サービスが市場に投入されてから、もっとも早く購入する人々です。周囲にもいますよね。誰よりもはやく新製品・新サービスを使ってみたい人が。これらの人々は、製品・サービスが多少高くても、多少問題があっても購入してくれます。そして彼らの多くはしっかりフィードバックしてくれます。「誰がアーリーアダプターか?」それは実際に会って話を聴くほかありません。ここでアンケートとかで手を抜いてはいけません。