日用品に多いですが、この商品は主婦のアイデアから生まれました!と爆発的にヒットする商品は昔から一定数あります。今日は素人の力について考えてみたいと思います。
なぜ素人なのか
どんあ分野にも専門家がいます。専門家の経験や知識や情報量は商品開発において貴重な武器となります。しかし、それは適切なタイミングで使用された場合に限ります。なぜなら専門家は専門家であるが故に視野狭窄に陥りやすいからです。その分野に精通すればするほど、常識だったり固定観念が無意識にうちに邪魔をするからです。顧客の真の困りごとに気づけなくなります。もちろん超一流の専門家は常識や固定観念すらも越えていけるのですが、意外にそのセンスを持ち合わせれる人は少ないように思います。
素人の思考を真似る
商品開発において、素人の思考が貴重であればその思考法を取り込むのにはどうしたらいいのでしょうか?
- 判断しない
- 素朴な疑問をもつ
- 好奇心旺盛でいる
- パターンを探す
- 聞いてみる
「判断しない」とは、まずは利用者や使用者の行動や状況をありのままに観察しましょう。なにも判断せず、ただただ観察することが第1歩です。「素朴は疑問をもつ」は5歳児のように、「何で」を繰り返すことです。大切なのは自分がすでに理解していると考えている事象にすら「なぜ」を繰り返してみることです。その延長に「好奇心旺盛でいる」ことも求められます。観察しながら、居心地がよかったこと。その逆に不快に感じたこと両面において、「なんでだろう?」とさらに関心の翼を広げてみる姿勢が大切です。様々な利用者を観察していると、同じような事情で不満や不安や不快を感じている状況に出くわします。雑談していると、「あるある、私も私も」って奴が見つかる瞬間です。そして、最後は実際の利用者に聞いてみることです。利用者が話す言葉を「ありのまま」に聞くことです。
自分に問いかけながら観る
素人の思考を真似るにおいて、もっとも難しいのは最初の観察するです。前述したように固定観念が入り込むからです。観察が始まったら、対象者が何をしているのか。様子が分かるようにありのままを描写して記述していきます。記述が終わったら、理解を始めましょう。対象者がどうやってそれを実施しているのか?努力が必要なのか?急がされている?不快そう?不便そう?ここでも出来る限り多くの言葉を使って記述しましょう。対象者の様子を記述し、その様子を理解することができたら、解釈に移ります。対象者はなぜその行動を取るのだろうか?ここで一つ重要なのは対象者の動機づけと感情に注意を払うことです。すべの行動には意識、無意識どちらにしろ誘因があるはずです。相手の感情まで推し図らないと、独りよがりの解釈をしてしまいがちです。まとめると観察する際には、まず「何を」次に「どうやって」最後に「なぜ」を問いかけながら進めることです。