クマ坊の日記

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【ビジネススキル】仮説を立てる

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「思考を停止するな」「顧客の立場で考えろ」は私の師匠から直接指導された言葉です。組織文化として根づいていた言葉としては、「仮説を立てろ」でした。この言葉は若い時にあらゆる先輩から言われ続けたキーワードでした。今日は仮説思考について考えてみたいと思います。

仮説思考とは

情報の少ない段階から問題の全体像や結論を考える思考スタイルです。仮説思考は観察された現象や経験値にあるものを、いかに結びつけ、想像力を働かせ、まだ見ぬものを想定できるかが重要になります。推論なんですが、演繹や帰納とは異なります。演繹や帰納と違って想像の翼を広げる点がユニークでもあり、人間でしかできない思考法ともいえます。

 

経験はいくら集めても理論は生まれない

アインシュタイン先生は、「経験はいくら集めても理論は生まれない」と喝破されました。自然科学の発達は、この仮説思考、人間の想像力によって生み出されてきたと言っても過言ではありません。例えば万有引力を発見したニュートンは、「いつも木から落ちるリンゴを見て、おやっ?」と思い、その現象を説明する引力という仮説を持ち込む事で、万有引力という原理を確立されました。今では当たり前の考えですが、ニュートンが生きていた時代では、地上と天上の物体運動は全く異なるものと信じられていたわけですから、万有引力はかなり突飛なアイデアに見えたのだと思います。

 

ロジカルより仮説思考な時代

私たちは学者ではなくビジネスパーソンです。新しい理論を打ち立てる必要はありません。しかし、より仮説思考が求められている時代に存在しているように思います。以前はビジネスの問いは固定的で済みました。ライバルより品質を上げるためには?ライバルより安く作るためには?ライバルより早く納品するためには?問題が静的であれば、なぜを繰り返すロジカルな思考は強力でした。しかし、何か行き詰まっている時にロジカルに考えても、答えが出ない迷いの森へ迷いこんでしまう可能性もあります。

 

仮説思考を阻むのは思い込み

仮説思考を阻むのは、個人や集団の思い込み。決めつけることです。今は当たり前のノンアルコールビールですが、開発された当初はビール会社の役員は全員反対したそうです。「ビール会社が何故アルコールが入っていない飲み物を作る?」という理屈です。今、聞くと信じられないでしょうが、同時のビール会社役員からすれば当然な結論だったわけです。こんな事例はあらゆる業界にあらゆる職場に転がっています。

 

主義を捨てる

企業や職場などのら集団が思い込みから逃れるのは難しいです。裏を返せば、それがその企業の強さの源泉でもあるからです。思い込みから逃れる方法としては、以下の3つの主義を禁止する事です。

  1. 前例主義禁止
  2. 正解主義禁止
  3. 整合性禁止

前例主義がユニークなアイデアを潰します。正解主義は人の試行錯誤を許しません。整合性だけを追求すると、目に見えるものしか見ないようになります。これらを禁止することは、短期的には組織の生産性を落とすことに繋がります。要は面倒臭いって奴です。限られた時間内でアウトプットが期待されるビジネスとは相容れない考えでもありますが、今こそこのような姿勢が企業には求められます。