私の生業は企業の人材育成支援です。イメージしやすいのは、管理者研修や新入社員研修の講師を務めます。私自身も講師業と兼務でラインマネジメントも担当しています。そんな背景もあって、様々な企業様から管理職の育成に関するご相談頂く機会が多いです。今日は、成果を上げれない管理職の特徴について考えます。
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マネジメントが上手くいかない理由は共通
様々な業種、職種、お会社に呼ばれて講師を務めます。成果を上げるコツはそれぞれのお仕事の特性や経験も関係するので一概に言えませんが、一方、成果を上げれない管理職の特徴は共通点が多いです。
- ありたい姿の解像度が低い
- メンバーへの役割分担と目標設定が下手
- 会議デザインが雑
- メンバーの持ち味を引き出せない
- チームと個人のリフレクションを促せない
- 1~6の状況をリフレクションすることが出来ない
ありたい姿の解像度が低い
成果を上げれない理由の50%は「ありたい姿の解像度が低い」に起因しています。管理職なので、当然、経営から期待業績や方針が降りてきます。しかし、その達成状態について解像度高く描けている管理職は少ないのが実態です。例えば、営業マネジャーであれば、自部門の目標数字は理解していますが、その目標数字が達成されている時の状態をイメージ出来ている人は少ないです。イメージ出来ない事を達成することは出来ません。
メンバーへの役割分担と目標設定が下手
ありたい姿の解像度が高くても、メンバーへの役割分担と目標設定が適切でないと達成は出来ません。マネジャーは他者を通して成果を上げる人です。メンバーが右往左往しないよう、明確な役割と目標を与えることが大切です。本人の強みやキャリア志向性も把握しながら、メンバーが迷わず職務に邁進できる環境を整えることが大切です。
会議デザインが下手
ありたい姿の解像度が高く、メンバーに適切な役割分担と目標を付与することが出来れば高い確率で成果をあげることが可能です。さらに確率を上げるのに工夫がいるのは会議のデザインです。どんな目的で、どんなメンバーわ集めて、どんなスケジュールで会議を設定するのか。そこまでデザインしている管理職は少数です。過去の慣習や惰性で「なんとなく会議を運営」している管理職は多いです。ありたい姿も描けない、役割分担も曖昧、会議もデザイン出来ないと、無駄な会議が増えていきます。達成状態をイメージ出来ていないから、マイルストーンも不明瞭です。会議が多いだけで、マネジメントが上手く回っていないのが分かります。
メンバーも持ち味が引き出せない
雇用形態や価値観や経験の異なるメンバーを通して成果を上げるには、一人ひとりの持ち味を引き出すことが求められます。管理職とメンバーの関係だけでなく、メンバー同士も相乗効果をあげる場作りも重要です。特にビジネスが上手くいかない時は、チームの信頼関係が構築出来ていないと、不満噴出で雰囲気は悪化の一途です。平時から、メンバー個々をリスペクトし持ち味を引き出す働きかけが求められます。
チームとメンバーのリフレクションを促せない
これはいわゆるPDCAを回すことです。上手くいかないことは勿論、上手くいっていることを振り返りレベルを上げていきます。計画に対してだけでなく、計画自体、課題自体をクリティカルに振り返ることがポイントです。近年は環境変化が激しいので、メンバーと手探りで仕事を進める能力の重要性が増しています。
プロセス自体を引いて見る力
マネジメントプロセスや自分とメンバーの関係性自体を四半期に一度ぐらいのペースで振り返ることも重要です。どんなに上手く行っていても、プロセスがマンネリに陥ったり、プロセスが強固だからこそ、それが弱みに転じることもあります。メンバーと信頼関係を築けていても、それが関係性の固定化に繋がってしまったりします。プロセスを引いて見れる力があるマネジャーは安定感が抜群です。