クマ坊の日記

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【マネジメント】思考が早い人が陥りがちな事

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仕事が出来る人の特徴の一つとして、仕事が早いがあります。メールの返信から始まり、実行スピード、判断スピードなど。業種、職種を問わず早いことは尊ばれます。しかし、プレイヤーからマネジャーに移行した時、この長所が短所に裏返る場合があります。今日は思考の早さの罠について考えてみたいと思います。

マネジャーはスピード命

マネジャーへの会社からの期待は業績達成です。資本主義社会で働いている以上、企業は株主から短期の業績コミットメントを期待されます。投入した資本をフル活用して、成果を上げることを求められます。当然、現場第一線で指揮するマネジャーは機会損失を最小化を目指して高速でPDCAを回すことになります。だからマネジャーがスピードを重視するのは当たり前のことです。

 

部下との対話場面では、スピードが仇となる場合もある

上記のようにマネジメントではスピードが重要視されるのですが、スピードの早さが仇となる場面があります。それが、部下との対話場面です。対話は、「ありたい未来を自分たちの手で作り出す行為」です。ビジネスモデルが機能していた時代は極論すると対話は必要ありませんでした。何をやったら成果が上がるのは明確ですから、対話よりも実行が何よりも重要でした。しかし、現在は価値観も多様化し、新事業開発やイノベーションが期待されています。そんな世界では、様々な人の知恵を結集して新たなアウトプットを創造することが期待されます。それぞれの知恵を引き出す為には対話が求められます。新事業やイノベーションという大袈裟な話でなくても、仕事の生産性を高める、コストダウンで効果を出すなどの場面でも対話は有効です。

しかし、プレイヤー時代に実績を上げてきたマネジャーほど、対話が下手くそです。何故なら、これまで培ってきた経験から、仕事に対する価値観や自分なりの意見を明確に持っているからです。輪をかけて思考のスピードも早いです。すると、部下と対話をしていても、瞬時に自分の考えや価値観に基づいて判断を下しながら、話を聞いてしまいます。行為としては聞いていても、瞬時に部下の意見や提案を「使える使えない」と判断してしまうのです。そんな上司と話をしていても、部下は自分の話を聴いてもらっているようには感じません。そんな場面が続くと部下は貝になります。

自分の意見を保留する勇気

すぐに答えを出したい誘惑を抑えながら、マネジャーは「自分の意見は一旦脇におく勇気」が必要です。自分の意見を持つことは良いことなのですが、対話の場面では一旦その意見を脇に置くことが重要です。脇に置くことで部下の意見も引き出せるし、ありたい未来を共に作り出すことが可能になります。