ヨーロッパの3大北壁ってご存知ですか?ロッククライミングをする人には憧れの山であります。アイガー、グランドジョラス、マッターホルン。北壁は文字通り北斜面なので、日照時間が短く、そのため気温が低く、風もビュンビュン吹くので登頂の難易度が格段にあがります。難しいが故に、あまたのクライマーがチャレンジします。この北壁とは違う話ですが、新任管理職にも立ちはだかる3つの北壁が存在します。今日はそんなお話です。
第1の壁 仕事を振れない💦
管理職になって1番最初に戸惑う壁は、「部下にどこまで仕事を振っていいかが分からない」です。昨今の管理職の多くはプレイングマネジャーです。個人でも仕事を持ちながら、チームのマネジメントもする。部下と変わらない業務であれば、尚更、どこまで仕事を振ったらいいか迷います。部下から仕事を押し付けられたとも思われたくない。部下に任せるなら自分でやった方が成果があがる。部下に任せると仕事を移管したり、教えたりするのに余計工数がかかる。その為、仕事を振ると余計に自分の首を絞める。。。この問題は管理職の経験を積んでも判断に迷うところです。ただ結論を申し上げれば「どんどん現状の仕事は部下に振るべきです」管理職の仕事は組織の成果をあげること。いつまでもプレイヤーと同じ仕事をするのは問題です。より付加価値の高い仕事や業務の改革に関わる仕事が本来です。仕事を振るということは、前述したような軋轢が容易に想像されますが、しょうがないですね。プレイヤーの仕事で成果をあげても、部下は内心「上司は美味しい仕事を担当しているから、成果をあげるのは当たり前」と考えるものです。
第2の壁 年上部下
2番目に戸惑うのは年上部下です。元上司が部下、かつてのメンターだった先輩が部下になるなんてことも多いのではないでしょうか。仕事上のアドバイスを元上司、元先輩にはなかなかしづらいものです。最初は戸惑うでしょうが、「腹を割って話す」「丁寧なコミュニケーション」を続ければ半年ぐらいで慣れるはずです。年上部下も会社勤をしている以上その辺りは心得ていますから。優秀な年上部下に支えてもらうと管理職の仕事はぐっと楽になります。
第3の壁 問題社員
最難関が問題社員の扱い方です。問題社員とは仕事のパフォーマンスが低い社員のことではありません。職場のメンバーのやる気を削ぎ、信頼関係を破壊し、管理職の方針や指示を無視する社員のことです。この手の社員が1人いると途端にマネジメントの難易度があがります。
問題社員を部下に持ったら、一旦先入観を脇に置いて本人の話を聞いてあげることです。問題社員にも2パターンあります。これまで上司に恵まれなくて、心をこじらせている人。根っからの悪。前者は扱いずらいかもしれませんが、その一方仕事に関する問題意識が高かったりします。上司が変われば多いに化ける可能性があります。社内の人物評価はいい加減なものです。だからまず色眼鏡を外して対話してみてください。
1番厄介なのは、根っからの悪です。仕事をサボることしか考えず、権利については声高に叫ぶような人です。この手の部下を持つ上司は腫れ物に触るよう扱います。しかし、それは逆効果です。周囲のメンバーに悪影響を与えるからです。フリーライダーを許すと、頑張ってる社員のモチベーションを著しく下げることになります。だから、問題社員を部下に持った時は、淡々と毅然とした態度で仕事の要望を伝え続けることです。ポイントは伝え続ける点です。その姿勢を他の部下はよく見ています。もう一つの留意点は、そのような問題社員を変えようと思わないことです。そんな風に考えてしまうと、管理職自身が精神的に疲弊してしまいますから。
欧州3大北壁に負けず劣らず、職場の3大北壁もなかなかなものです。