いろいろな会社に呼ばれて、研修を実施します。私が担当する研修の対象者は管理職が多いです。部下育成のテーマで必ず指導項目として入るのが褒め方です。でもこの人を褒めるっていうのは苦手な管理職が驚くほど多いです。今日は部下の褒め方に関して考えてみたいと思います。
そもそも褒められた経験が少ない
研修の中で対象者に「職場で褒められた経験」について振り返ってもらうと、驚くほど少なかったりします。現在の管理者が若手の時は、「仕事だからやって当たり前」の雰囲気だったので上司から言葉で褒められた経験は少なかったという意見が多いです。飲みに行くというのはありましたが。現在は部下と飲みにいくことも少ないですから、職場内で褒められるって機会自体がグッと少ないですよね。
人の成長の2割は上司や先輩からの薫陶
人の成長の7割は仕事経験、1割は研修などを含めた学習、2割は上司や先輩からの指導や薫陶と言われています。優秀な管理者にインタビューすると自分に影響を与えた上司や先輩の話を高い確率でお聞きすることができます。仕事に対する姿勢や、自分が失敗した時にフォローしてくれた話、残業中にもらったアドバイス。。。素敵なSTORYが聞けるものです。でも圧倒的に多くの管理者はそんなSTORYが少なかったりします。
褒め方のコツ
というわけで、本人自身が褒められる経験が少ないので、「部下を褒める」なんていうのはハードル高いんですよね。そこで、褒めるときのコツをお伝えします。
- すぐに褒める
- 具体的に褒める
- 何度でも褒める
文字に書くとこれだけなんです。
すぐに褒める
職場だと成果がでて初めて褒めるという管理職が多いです。でも成果が出るのは時間がかかります。本人が頑張っていても、本人以外の要因で成果が出ないこともあります。ですから小さいこと、成果に至るまでの途中プロセスで褒めることをお勧めします。アポイントが取れた、プレゼンが上手にできた、改善の企画提案をあげてきてくれた。。。そのためには、管理職が事前に部下に期待行動を示しておくことが大切です。何でもかんでも褒めらるのもいいのですが、子供と違うので褒められたほうも納得する褒め方が望ましいです。「私の職場の方針は〜です」「こんな仕事の仕方を期待します」と事前に伝えておくと、方針に沿って働いてくれているから、期待に応えてくれているからと管理職も褒めやすいし、褒められるほうも納得しやすいです。
具体的に褒める
「ありがとう」一言でもいいのですが、できれば具体的に褒めましょう。私は褒めるときにこのディテールをしっかり伝えるようにします。ディテールを伝えるには、普段から部下をよく観察しなくてはいけません。部下も具体的に褒められると、上司は自分のことをよく見ていると感じてくれます。この感じてくれるというのがポイントです。
何度でも褒める
よかったことは何度でも褒めましょう。すぐに本人に褒めるのはもちろん、会議の場でみんなの前で褒める、本人のいないときに褒める(噂で巡り巡って、上司が褒めていたことを知る」なんて形で何度でも褒めます。褒めることで、本人のモチベーションや自己効力感が高まってくれたら楽なものです。褒め方一つで管理職の腕が問われますね。