前回の記事でそもそもプレイヤーから、管理職にシフトするのは難易度が高いとお話しました。他の仕事に置き換えるとイメージしやすいかもしれません。私の職業は人材育成支援です。マネジメントやリーダーシップなど、ビジネスに関する知識やスキルを教えることには長けていますが、その私に明日から、美味しいコーヒーをいれてと言われても出来ません。ウェブデザイナーとしてイケてるLPデザインを考えてと依頼されてもお手上げです。今日は管理職へのシフトについて考えてみたいと思います。
突然化を迫られる管理職
前述したようにプレイヤーから管理職にシフトすることは、職種を変えるのと同じぐらい大変な変化です。熟達化理論からすると、どんな仕事でも習熟するのに10年はかかります。昔は組織の階層も細分化されていたため、主任や係長というポストがありプレマネジメント経験を積むことが出来ていました。また、職場環境自体大きな変化はなかったので、プレマネジメント経験が管理職になっても通用する部分も多かったです。しかし、現代の組織はフラット化しています。プレマネジメント経験を積む機会は限られます。その一方で管理職への登用はある日「突然」だったりします。管理職になったとたん、組織業績を期待されます。上手く行かないのは当たり前だし、側から見たら気の毒にしか映りません。
管理職へのシフトで大事なこと
メンバーから管理職へシフトするにあたって外せないのは、以下の5つです。
- 期待役割の定義
- 会議設計
- 意思決定
- リフレクション
- 成長支援
特に期待役割を定義できていない管理職がいかに多いことか。数字目標だけは上から落ちてきますが、自分たちの職場の成果は何か?成果をあげている状態はどのような形なのか?成果を上げるための要件は何なのか?これらのことが整理されないまま管理職になっている場合も多いです。管理職自身が職場のありたい姿をイメージ出来てなければ、メンバーもどのように頑張ったらいいかイメージできません。イメージ出来ないものは達成できるはずもなく、さらに無駄な施策を展開して自滅していきます。
職場のありたい姿の解像度をあげて、メンバーと共有出来ていなければマネジメントが機能することはありません。