クマ坊の日記

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【マネジメント】優秀な管理職が陥りがちな罠

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私の生業は企業の人材育成の支援をしています。仕事柄、様々な業種、職種の管理職とお会いする機会に恵まれています。管理職によって悩みは多岐に渡ります。側からだと、優秀に見える管理職でも悩みは深いです。今日は優秀な管理職に陥りがちな罠について考えてみたいと思います。

優秀な管理職Tさん

Tさんは管理職3年目。今年から転勤で新しい職場に赴任されました。前の職場でも、現在と同じく営業マネジャーを務め高い成果を上げていました。新しい職場でもTさんは、これまでの経験を活かし、職場の方針を明確に打ち出しました。日々のマネジメントも重箱の隅をつつくようなマネジメントはせず、大丈夫なポイントのみ報告させメンバーの自主性を尊重するスタイルです。プレイヤーとして優秀だった管理職がやりがちな、「俺のやり方をマネしろ!」のような無理強いもなく、勉強会を開催し、「こんなやり方もあるよ」と情報共有するアプローチでした。メンバーから求められれば営業同行しますし、積極的に支援も行ってきました。このようなマネジメントですから、当然メンバーのハートも鷲掴みし、モチベーションも爆上がりだったそうです。

優秀なマネジメントの罠

Tさんのマネジメントは、原理原則とご自身の経験に基づいた実践智が組み合わさった素晴らしいものです。側から聞いていると、順風満帆に触発マネジメントを進めているように見えました。しかし、Tさん自身は大きな悩みを抱えていました。それは、Tさんが優秀すぎる為、メンバーが無意識にTさんに依存するような関係性が出来つつあることです。自分のマネジメントに問題があったのではないかと悩んでおられました。

手を抜くのも大事

Tさんのマネジメント自体は問題なかったように思います。職場をリードしてきたからこその悩みです。大切なのはこれからどうしていくかです。私からアドバイス差し上げたのは、いい意味で手を抜く。メンバーに仕事を意識して任せる、弱音を吐くの3つでした。Tさんは責任感が強く、メンバー想いの素晴らしい管理職です。そのため、オーバーワークになりがちです。いい意識で思考の手を抜き、多少乱暴でもメンバーに仕事を振ったほうが良いように見えるとお伝えしました。このままでは、ご本人の心身の健康を損う可能性が高くなるし、倒れてしまったら職場も経ち行かなくなります。また、ご自身の現在の心情もメンバーに吐露することもお薦めしました。頑張っていない上司から愚痴られても、メンバーは困惑しますが、Tさんはメンバーにも認められています。弱音を時には吐くぐらいがちょうどいいように思います。メンバーからは、Tさんは頼れる上司と認知されているわけです。その認知の在り方をズラしていく必要があるわけです。

優秀な管理職であっても、マネジメントの悩みはつきないなと実感したお話でした。