SXやDXの文脈で、新規事業開発にチャレンジする企業が増えています。今日は新規事業を選定する際にありがちなことを考えてみたいと思います。
新規事業テーマの策定の進め方
オーソドックスな新規事業のテーマの策定手順は、テーマのアイデアを出しを行い、何らかしらの基準に沿ってテーマを絞り込んでいきます。何かしらの基準はとは、例えば下記のようなものです。
- 取り組む意義
- 市場の魅力度
- 自社の優位性
- 競合状況
- 収益性
- 新規性
- 実験度
このような基準で絞り込んだ後に、優先度が高いものから妥当性を検討していきます。ターゲットとなりそうな顧客や、新技術の専門家や社内外の関係者にヒアリングしていきます。ヒアリングしている途中に、新たなキーマンを紹介してもらうなんて偶然が大事だったりします。
新規事業テーマ選定あるある
新規事業開発はビジネス化するまで本当に大変です。どんなに良いアイデアでも、タイミングの問題もありますから。ただ、テーマ策定時から明らかにこれは上手くいかないなーと感じる場面にも遭遇します。個人的なあるあるとしては、
- 流行りのテーマ
- 最新技術への依存が高いテーマ
- 成長市場への安易な参入
まず、流行りのテーマに安易に飛びつくパターンです。最近であればサブスクです。サブスクはあくまで、顧客からどのように収入を確保するかの手段に過ぎません。顧客の抱える問題や提供する価値が深く考えられていなければ、安易に流行りのビジネスモデルを導入しても上手くいきません。2つ目は最新技術に依存してテーマを決めてしまうパターンです。例えば、AIやIoTなど。新技術を導入すれば、何か新しい事業が生まれるのではという理由でスタートしてしまうパターンです。こちらも顧客への提供価値と技術が紐づいていないと上手くいきません。次は安易に成長市場に参入するパターンです。例えばDXです。今後、市場規模が大きくなるのが見込めるため、新たに参入しよう!というのは理解できるのですが、当然ながら競争が激しい市場です。余程、自社リソースを活かした差別化を意識しないといけません。まあ、何が成功するかなんてやってみないと分からないのですが、とは言え事業テーマを検討する際はよくよく考えないといけません。