WBCで日本優勝しましたね。普段、野球は見ない私でしたが、今回は画面に食い入るように観戦していました。大会MVPを獲得した大谷翔平の活躍は目覚ましかった。最後のトラウトとの勝負は痺れました。
試合終了後に解説の松坂さんが、「今回のチームはまとまるのが早かった。普通は試合で勝ち上がる度にまとまるものなのですが」と話しているのが印象に残りました。今日は良いチームの条件について考えてみたいと思います。
チームを構成する三要素
WBCに参加する選手は、全員プロ野球選手です。いわゆる一国一城の主である個人事業主です。 WBCのためにパッと集められて、短期間でチームワークを高めて結果を出すのは並大抵のことではありません。みんなチームでエースで主軸を務めるような選手ばかりですから、我が強いのは容易に想像がつきます。チームビルディングの理論では3つの要素が重要だと言われています。
- 目標
- メンバーの貢献意欲
- チーム内のコミュニケーション
まずは目標です。適度にストレッチした目標であり、メンバー全員が動機づけされるような目標が必要不可欠です。今回で言えば、「世界一」です。今回の選手達が子供の時に、 WBCで世界一を勝ち取った姿を見て育っています。第3回、第4回は残念ながら負けてしまいましたが、WBCで世界一を目指すことは、多くの野球選手にとって挑戦のしがいがある目標だったと思います。栗山監督も、チーム結成当初から世界一を掲げていたのも良かったと思います。目指すべき場所が明確になりました。次に大切なのは、メンバー一人ひとりの貢献意欲を引き出すことです。そのためには、メンバー個々の期待役割を明確に伝えることと、期待役割が発揮できる場を与えることです。これは栗山監督が果たした役割がかなり大きかったように思います。準決勝のメキシコ戦。負ければ終わりの場面で、不調が続いていた村上選手をそのまま打席に立たせました。期待役割を伝えても、目先の結果に囚われて辛抱しきれない指導者の方が多いように思います。あの決断は賞賛に値すると思いました。また、村上選手以外のモチベーションも高まったのではないでしょうか。技術だけでなく、役割にあわせて適切なメンバーを人選できていた点も素晴らしいと思いました。
ダルビッシュ選手の影響力
最後の要素であるチーム内のコミュニケーションが最も難しい要素だったと推察します。そこでダルビッシュ選手が果たした役割は大きかったと感じます。ダルビッシュ選手は現役バリバリのメジャーリーガーでチーム最年長の選手です。そんな選手が初日から宮崎キャンプ入りし、10歳以上も歳の離れた若手に自分から声がけする。若手からすれば、憧れの選手から話しかけてもらえたら嬉しいでしょうし、チームの雰囲気も良くなりますよね。また、ダルビッシュ選手が「野球を楽しむが大切さ」について語っていたのも印象的でした。勝利至上主義だと悲壮感が漂いすぎて逆に普段のプレーが出なかったかもしれません。栗山監督がマスコミのインタビューに対して、「チーム、ダルビッシュっと言っても過言ではない」ような発言をしていましたが、本当にそれぐらい影響力があったのだと思います。
侍ジャパンと私たちの働く職場はレベルは全く異なりますが、チームワークという点では学ぶべきことが沢山あるように感じました。