クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【ビジネススキル】大谷翔平に学ぶ「ありたい姿」の描き方

f:id:kumabou2016:20230320064941j:image

私の生業は企業の人材育成を支援です。イメージしやすいのは、企業で実施する管理職研修や新入社員研修の企画・運営です。ご支援する研修テーマに課題解決があります。支援していて興味深いのは、あるべき姿を設定するのが得意な人は多いのですが、ありたい姿を描ける人はとたんに少なくなる傾向です。今日はありたい姿の描き方について考えてみたいと思います。

ありたい姿が何故必要か?

北海道の旭山動物園が誕生したのは、飼育員の14枚のスケッチがスタートでした。当時は来園者も激減し廃園も検討されていました。そんな状況の時に、「こんな動物園があったらいいな」と描かれたのが、前述したスケッチです。制約や前提条件も取っ払って、理想の状態を描く事が「ありたい姿」を描くです。この「ありたい姿」を描いて当事者間で共有することは、ビジネスを進める上でとても大切です。もっと簡単な例に置き換えるとイメージしやすいです。カレーライスを作るにしても、スパイスたっぷりの本格的なインドカレー作るのと、欧風カレーを作るのでは、材料も調理法も変わってきます。「ありたい姿」を描けていれば、より出来上がり解像度の高い美味しいカレーが作れる確率が高まります。ビジネスにおいても同じことが言えます。「ありたい姿」が共有できていないと、良かれと思ってあれやこれや経営リソースを浪費してしまいます。

あるべき姿は描けるが

「ありたい姿」と似ている言葉に「あるべき姿」があります。「ありたい姿」はゼロベースで自由に発想するのに対して、「あるべき姿」は制約条件や与件、顧客からの期待を織り込みながら発想していきます。大企業の社員になればなるほど、この「あるべき姿」を描くのは上手ですし、「あるべき姿」と現状とのギャップを把握し、そのギャップを埋めるための対策や経過を策定するのも長けている人が多い印象です。しかし、優秀であるが故に、会社に最適化してるが故に、ゼロベースで自由に発想するこが苦手だったりします。研修内で企業事例のケースを解かせると、10人中9人が実現可能性の高いビジョンと事業戦略を立案します。しかし、ありたい姿は何の制約もない研修のケーススタディでさえ描ける人は少数です。勝手に自分でブレーキを踏んでしまうのです。

大谷選手に学ぶ

昨日のWBCでも大活躍であった大谷翔平選手。彼が高校時代に書いた「ありたい姿」は、ビジネスの世界でもしばしば良いお手本として紹介されます。「ありたい姿」の状態がイメージしやすく書かれています。真ん中の目標を達成するためにどんな事が必要かも、具体的に書かれています。漏れなくだぶりなく。高校生でこれだけ言語化できるって凄いです。

f:id:kumabou2016:20230321203020j:image

経験を積めば積むほど、会社や周囲からの期待に応えられるよう、個人の思考も仕事の進め方も最適化されます。でも、それだけでは世界から期待されているイノベーションは起こせません。制約条件を取っ払って「ありたい姿」を描ける人間が求められていると感じます。