クマ坊の日記

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【マネジメント】期待役割を明らかにする時代

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私の生業は企業の人材育成の支援です。イメージしやすいところで言えば、管理職の研修や新入社員研修などです。階層別研修とも呼ばれてもいます。部長研修、課長研修、中堅社員研修など階層ごとに受講すれからです。階層別研修では必ず触れられ学習項目があります。それが期待役割です。今日は期待役割について考えてみたいと思います。

 

 

何故、研修で期待役割を考えるのか?

階層別のオープニングは期待役割を検討することから始まります。いくらスキルを学んでも、自分には関係ないと判断した時点で学ぼうとしないのが理由です。しかし、階層別研修のスタートが必ず期待役割の検討で始まると言うことは、裏を返せば普段は期待役割りについて説明されていないと言う証左でもあります。

 

幸せな主従関係が存在した昭和、平成

上司から期待役割について納得のゆく説明を受けたビジネスパーソンは少ないのではないでしょうか。どの企業にも職能要件書やジョブディスクプリションなるものが存在します。前者であれば職能で期待される役割や能力が。後者であれば職務毎に期待される役割や能力が記載されていることになっています。実際は仕事は個別具体的なので、職務基準書もジョブディスクプリションも実際の仕事とは乖離があるものになってしまいます。ですから、運用においては管理職とメンバーが話合うのが原則です。しかし、日本企業の多くはメンバーシップ型というより、企業と個人は限りなく主従に近い関係性です。しのごの言わずに一生懸命働くことが期待されてきました。ある時期までは、このやり方も機能していました。頑張れば頑張るほど、会社の業績もあがり個人の給料も上がると言う幸せな時代がありました。そんな時代は役割について細かく話す必要もないし、企業自体が成長するので役割自体もコロコロ変わるので決めることも出来ません。

 

役割が明確でないから、目標が容易にノルマに変わる

今は一生懸命やっても、個人の給料への反映は限定的です。前提となる職務が曖昧なので本人は頑張っていると考えていても、上司からするとやって当たり前、もっと頑張って欲しいと見てたりすることもあります。期待役割について上司とメンバーで握れていないから、目標は簡単にノルマに変わってしまいます💦自分の役割からすればどこまでやれば評価されるのが分からないからです。自分の期待役割を超えた数字目標を一方的に押し付けられているという心情に陥ります。当然モチベーションもだだ下がりで、肝心の成果も上がらなくなります。期待役割について、対話を通して絶えずすり合わせておくことが大切な時代だと私は考えます。