私の生業は企業の人材育成支援です。イメージしやすいのは、新入社員研修わ管理職研修です。研修のテーマによりますが、最後に自己開発目標を書かせることが多いです。今日はビジネスパーソンの成長と目標について考えてみます。
成果目標と学習目標
企業に勤めるビジネスパーソンは、成果目標が必ず問われ、成果目標の達成具合で評価もされます。売上目標や受注件数などです。この成果目標は、目標と呼ばれていますが実態はノルマであることも往々にあります💦 ちなみにノルマの語源はロシア語で、元々は罰の意味から転じて強制的に決められた基準を示します。成果は押しつけられないまでも、会社や上司から要請を受け目標を立て、評価も他者からされるのか普通です。
一方、学習目標は本来の目標の意味と同じで、自分で設定するものです。仕事を通して学んだり成長することを目的として設定し、評価するのも自分自身です。一番望ましいのは、成果目標も成長目標も本人のモチベーションが上がるように設定できることです。ただ、そんか状況は少ないのが普通です。働いていると成果目標ばかりに注視しがちです。周囲からも成果が期待されているし、個人の生活においても収入と深く関わるから当然です。ただ、頭の片隅には学習目標も考えておくべきです。何故なら、学習目標を設定しないと人の成長スピードは鈍化するからです。
50歳おじさん同期との会話
最近、会社の同期と3年ぶりに飲んでいました。お互い50歳も目前となると、話題は自然と今後のキャリアについてになります。同期の彼も私もスタートは営業でした。私はその後、マネジメントを務め、職種も開発、コンサルタントとしてキャリアチェンジをしてきました。一方、同期の彼は営業一筋で頑張ってきました。いざ、50歳を迎えると自分が営業しかできない事に不安を感じていると打ち明けられました。営業は問題解決、コミュニケーション、マーケティングなど本来は様々なビジネススキルを総合的に発揮する職種なのでキャリアチェンジしやすい職業ではあるのですが、彼の不安な気持ちも理解できました。
振り返ると、私は若い時から学習目標も設定していました。単純に、周囲にカッコいいなと憧れる先輩がいたので、自分もそんな風になりたい。少しでも、近づきたいと願ったからでした。また、そういう先輩との仕事は高い成果も上げられたので、幸いにも成果目標と学習目標がほぼニアイコールというラッキーもありました。もちろん順風な時ばかりではなく、会社の方針が変わり、成長目標と学習目標が大きく乖離した時期もありました。成果も出せず評価されない時期もありました。でもそんな時期でも学習目標は変更しませんでした。今、思うと短期よりも長期な視点で学習目標を選択していたからです。
短期視点と長期視点
以前3人の石工のお話をしました。同じレンガを積む仕事をしていても、1人目は食うために仕事をし、2人目は自分のために、3人目は社会的な意義も感じて仕事をしていました。短期的な視点で学習目標を設定する人は、食うためだけに仕事をしている石工であり、長期な視点で学習目標を設定しているのは、2番目、3番目の石工です。視座が高けれは高いほど、学ぶべき目標が増え、学習領域も広がります。
成果目標と学習目標、短期視点と長期視点をバランスよく設定することがビジネスパーソンの成長にとっては極めて重要です。
明日から夏休み頂きます。ブログもしばらくお休みします。