クマ坊の日記

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【マネジメント】部長の期待役割の変化と弱音を吐ける勇気の必要性

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主人公の役職が変化するビジネス漫画と言えば「島耕作」シリーズ。若い時はよく読んでいました。しかし、今振り返ると「運」と「女性」で出世していく、イケメンラッキーおじさんの話だったようにも思います。さて、今日は島耕作の話ではなく、部長の役割について考えます。

長期思考とリーダーシップ

2000年代までは、部長に求められる役割のNo1は長期思考でした。短期の業績はもちろんですが、それ以上に長期の視点で考える人材が求められました。10年後事業をどのように成長させていくのか?そのための組織風土をどのように変えていくのか?課長までがより短期の成果を期待されたので、それと対比して長期が強調されました。そしてもう一つが、事業と組織をリードする強力なリーダーシップです。私と同じバス(事業)に乗れますか?乗るのであれば、私の指示・命令に従ってください。のようなイメージです。

リソースの確保と新しいビジネスモデル

20年経って部長の役割も変化してきています。企業の人事責任者にアンケートを取ると、部長の期待役割の上位は次のようにになります。

最初に上がるのは、リソースの確保です。人を中心に、これまでの社内リソースだけでは事業の見通しが厳しいという認識です。社内外のリソースを発掘して、引っ張っていく役割が期待されています。20年前、30年前には期待役割として上位には決して上がってこなかった項目です。

2点目がイノベーションです。従来のビジネスモデルではサステナブルな視点で難しいということです。ただ、これは多くの部長からするとハードルが高い期待役割でしょう。従来のやり方、従来のビジネスモデルに最適化してきたからこそ、成果を上げ続けることができたのですから。そのため、自己否定を突きつけられる場合もあるわけです。最後のリーダーシップは言葉こそ同じですが、中身はだいぶ変わります。俺についてこい!強いリーダーシップではなく、多様なメンバーの力を引き出すサーバント型なリーダーシップが期待されています。

これらの新しい役割を期待されつつ、今まで以上の短期業績へのコミットメントも期待される。長期と短期、既存事業と新規事業、強いリーダーシップとサーバントリーダーシップ。右手も左手も両方から引っ張られているようです。

弱音を吐ける勇気

期待役割からして矛盾しているので、実行するのは難易度高すぎです。「出来ません」と弱音を吐ければ楽なのですが、部長まであがると弱音は吐けない人がほとんどです。これまでの努力を考えたら旗は下せません。でも、そういう頑張ってしまう人がいるから、企業不祥事に繋がったりもします。部長で大切なのは弱音を吐ける勇気なようにも私は考えます。