クマ坊の日記

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【ビジネススキル】新規事業を巡る人と時間の考え方

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コロナウィルスが猛威をふるっていますね。私の仕事である研修も軒並み中止が増えています。研修参加者もこの時期に密室で長時間は勘弁でしょう。私達は呼ばれ連絡ば何処でも研修は実施しますが、本音はできれば避けたいです。会社的には業績に大きく影響するので、複雑な心境なのでしょうが。さて、今日は久しぶりにビジネスをテーマに書いてみたいと思います。お題は新規事業についてです。

 

新規事業の成否は人にあり

先日、主に大企業の経営者を対象としたアンケート結果を眺めていました。質問項目の一つに興味深い結果が記述されていました。「新規事業が上手くいかなかった原因は何ですか?」という問いに対して4人中3人が「新規事業を担当させた人選に問題があった」と答えていました。確かに、新規事業を担当するリーダーシップや熱意は重要です。スキル以前に、担当者がどんな思いを持っているかは新規事業の立ち上げには欠かせませんから。

しかし、その人材を任命したのはアンケートに答えている経営者自身ですから。多くの大企業の経営者が人選に問題があったと回答するのは「いかがなものか?」と首を傾げてしまいます。新規事業はスタート時は、社内の期待は高いものです。しかし、いざ活動がスタートすると活動は孤独です。「本業で稼いでる利益を、まだ見ぬ新規事業に投資するの?」という現場からの覚めた目。「いつになったら成果があがるのか?」という経営からの厳しい指摘。新規事業が船出する時は、総論賛成で送り出されますが、航海の途中は嵐の連続です。担当者が社内の必要なリソースにアクセスできるよう経営者には支援して欲しいものです。

 

大企業の新規事業で最も大切なのは時間

ビジネスで重要なリソースは、ヒト、モノ、カネ、時間、情報です。新規事業で大切なのはヒト、カネですが、大企業が新規事業を起こす際に大切なのは時間のように感じます。スタートアップする会社は、リソースが圧倒的に足りません。特にキャッシュがなければ事業を継続できません。だから、事業の成否を分けるのはスピード、スピード、スピード!なんですよね。大企業が新事業を立ち上げるときは、カネについてはスタートアップ企業より遥かに恵まれているわけです。だから、スピードが速いことに越したことはありませんが、大企業の強みである体力を活かした方が良いと思います。東レ炭素繊維やHondaのジェット機開発なんかを見ているとそう感じずにはいられません。そしてそれらの事例を見ていると、何世代にも渡って様々な人材がタスキを繋ぎながら事業化しています。今と昔では外部環境のスピードが違うのは重々承知ですが、事業的にも大きなリターンが見込め、社会的なイノベーションにも繋がる新規事業には経営者の辛抱もしくは信念みたいなものが一番問われるのだと私は考えます。