今週は新規事業に関する記事を集中して連載します。前回の記事では「筋のいいテーマ見つけることが重要」と書きました。今日はテーマの見つけ方に関して更に深堀りして考察したいと思います。
取り組む意義からスタートする
当たり前の話ですが、なぜこの新規事業を立ち上げるのか?その理由が必要です。小学生でも分かる話なのですが、企業内では結構、「なぜ?」が深く考えられないケースが散見されます。「経営から新規事業と言われたので・・・」それはそうなんでしょうが、自分にひきつけて捉えなおさないといけません。当事者意識っていうやつです。どうせ取り組むなら、自分ごとにしないと面白くないですよ。当事者意識をもった上で考えるべきは、世の中にある「問題」に着目することです。 問題というと堅苦しいですね。世の中にある、不安、不満、不快、不便、不足みたいな「不」がつくものを探すといいですよ。
世の中にアンテナをたてる
せっかく「不」を見つけても、すぐに飛びついてはいけません。世の中についても冷静にアンテナを立てましょう。その時の手段として使えるのがPEST分析です。PESTとは政治・法律(Politucal)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の4つの切り口から事業の変化をとらえます。例えば、現在であれば、緊急事態宣言が発令、経済は急速に収縮し、社会はコロナウィルス不安に覆われ、リモートワークに関する技術が注目されています。分析するまでもない状況ですが💦
市場を検討する
次に検討しなければいけないのは、市場と顧客です。まず対象市場を決め、その市場規模を想定します。「新しい市場だから想定できません」「新規事業だからどれぐらいの割合を取れるかわかりません」 はNGです。経営や投資家はどれだけ儲かりそうかで、投資の意思決定をするわけですから。大事なのは想定が当たっているかいないかではありません。経営や投資家が納得することです。すでに市場がある場合は、関係省庁や業界団体が公表しているデータを使うことができます。市場自体を新しく作り出す場合でも、「顧客数✖️顧客単価✖️頻度」で概算を導いたりしておくことです。また顧客が困まりごとも明らかにしておきましょう。
企業勤めのビジネスパーソンが新規事業を立ち上げる際には、避けて通れないプロセスです。株主を始めステークホルダーに説明が必要ですし、何より多くの経営者自身が起業の経験がないので判断できませんから。。。もちろん世の中には市場を検討しないで成功したビジネスもたくさんあります。前述した取り組む意義とそのような問題意識を持つ人物自体に共感して応援することを決めるタイプです。ベンチャーキャピタリストが人物に投資するというのはよく聞く話です。
自社のリソースを理解する
自社の強みと弱みを整理し、特に自社の優位性について把握しておくいつ用があります。現在のコア技術はなんなのか?まだシーズにすぎない有望な技術はなんなのか?そしてそれらの技術はライバルと比べて優位性があるものなか?最低限これぐらいまでは情報として下調べしておかなくては話になりません。
クリティカルに考える
下調べが終わって、新規事業のテーマが決まった!と思っても浮かれないように。おそらく皆さんが思いついたアイデアは、過去、自分たちの先輩も考えていることが多いです。また大半はライバル企業もすでに取り組んでいると考えたほうが良いです。やはりロジカルに考え出された事業は、みんな思いつくものです。でも、あなたが新規事業を任されたということは成功していないから任されたわけです。新規事業が上手くいかない阻害要因についても、この時点でもう1度クリティカルな思考で考えましょう。今日の講義はここまです。