本記事は2017年10月25日の記事を加筆修正したものです。新入社員を含めた若いビジネスパーソンにも参考になると思います。是非、読んでみてください。最後に改めて今記事を読んで思うことも付け加えています。
私の仕事は10月から2月までが最も忙しいです。多くの企業が来年度の教育計画を策定するため、あちこちに呼ばれ企画を立案します。毎年、この時期が来ると「なんでこんなに仕事が忙しいんだろう」とボヤキながらも、「でも仕事がいただけてありがたい」「自分の能力を請われることは嬉しい」など複雑な感情が入り混じって仕事をしています。様々な教育計画の策定を支援しますが、一番多い種類は階層別の教育体系です。今日は階層別の教育について解説したいと思います。
目次
階層別教育とは
階層別教育とは、新入社員教育や管理者教育などの節目節目に設けられる教育です。
なぜ階層別教育が必要なのか
階層別教育が必要なのは、大きく役割が変わるからです。新入社員であれば、学生から社会人に役割が大きく変化します。管理職も一般職から大きく役割が変化します。役割が変化すれば、求められる能力やスキルも変化します。役割の変化を理解しなければ、何をどう伸ばせばいいのか自分でわかりません。そこで節目節目の階層別教育というものが必要なのです。
通過儀礼から行動変容な教育への変化
もっとも、昔の階層別教育は儀式のようなものでした。「新入社員になった」、「管理職になった」おめでとう頑張ってっという意味合いの方が大きかった時代もありました。いわゆる通過儀礼です。通過儀礼の研修は知識付与研修が多かったです。新しい役割では、こんなことが求められるから意識しといてねという感じです。
現在はそういう企業は少なくなりました。どの企業も株主から短期の業績を求められます。そのため、管理職になったらすぐに成果をあげることが求められます。新入社員もいつまでもお客さま気分でいられては困ります。早く1人前に成長してくれることを経営は求めます。そのため、研修内容も知識付与から行動変容が求められる研修に変化してきています。
立場は変わったけど、役割が変わらない
経営は現場に成果を求め、役割の変化を求める一方で困ったことが現場では起こっています。特に管理職に顕著なのですが、一般職から管理職に立場は変わったのだけど、やっている仕事は従来と変わらない管理職が数多く誕生しています。いわゆるプレイングマネジャーです。
人の成長は現場が7割 上司先輩の薫陶が2割 研修が1割
研修がビジネスパーソンの成長に影響するのはたった1割。現場での経験が7割、上司や先輩の薫陶が2割だと言われています。つまり研修で自分の新たな役割やそこで求められるスキルや能力を習得したとしても、現場で実践しなければ身につかないということです。前述したように立場は変わったけど、やっている仕事自体が変わらないと成長するのは難しいです。
上司の支援を引き出す
そのため、ビジネスパーソンは意識して仕事の内容を変えていかなくてはいけません。しかし、組織で働く以上、自分の仕事を変えていくのは難しいのが実際です。そのため大切なのは上司の支援をいかに引き出すかです。上司の支援を引き出しながら、自分の仕事を少しづつでもストレッチさせることが大切です。
上司も経営から組織の成果を求められるているので、業績に意識がいきがちです。だからできる人に仕事を回そうとしてしまいます。上司のいいなりになっているだけだと、年だけとって、適切な時期に適切な経験を踏めないことになってしまいます。20代、30代の人は自らのキャリア開発もおぼろげでもいいので考えていくことが大切です。
コロナ禍になって、ビジネスパーソンの働き方は大きく変わりました。リモートワークなんて働き方も一気に普及しましたし。これから益々、ビジネスパーソンが成長するのは難しい時代に突入しました。今までの成功モデルが通じないのですから。モデルとする上司、先輩はいないですし、上司や先輩の方が新しいやり方に戸惑うかもしれません。3年前の記事ではおぼろげでもいいから自分のキャリアを考えていくことが大切だと書きましたが、より明確に考えたほうがいいんだろうなと思います。もちろん明確に描いても、その通りにはならない前提ですが。私はfootballが大好きです。才能がある選手は海外を目指します。海外のビッククラブでプレーしようと思ったら早くから海外に出ていく必要があります。ビジネスパーソンはfootballplayerほど職業人生は短くはないですが、 成長までの残された時間も以前より長くないようにも思えます。