平成も残り僅かですね。ビジネスパーソンを取り巻く環境も大きく変化しています。今日は平成から令和に変わることで、ビジネスパーソンの育成法が変わるということを考えていきたいと思います。
ビジネスパーソンの育成システム崩壊が始まった平成
平成に入ってから、ビジネスを取り巻く社内外の環境は大きく変化しました。バブル崩壊、リーマンショック等、企業業績が伸びなくなりました。これは経済的な打撃以上に人材育成システムを破壊する出来事でした。業績が伸びているとストレッチした経験を比較的簡単に獲得することがらできました。ビジネスパーソンは仕事経験を通して成長します。また、平成の初期は正社員、終身雇用制度も生きていました。そのため、仕事を頑張ることが、自分の収入増ともリンクしていました。モチベーションとも連動してたわけです。終身雇用制度で守られていたのも重要です。失敗を恐れず仕事にチャレンジできますから。さらに、正社員だけの同質性が高い職場は、身近でロールモデルを見つけやすく利点がらあります。上司、先輩からのフィードバックも獲得しやすかったと考えます。人が仕事を通して成長する条件が揃っていました。
しかし、業績が悪化することで企業の多くはこのシステムを放棄せざる得なくなります。非正規雇用を増やす事で、売上が減っても人件費で調整する経営に舵を切りました。成果主義の多くも人件費のコントロール以上の役割は果たせませんでした。むしろ、成果主義は職場を分断する手助けを後押しすることになります。誰も好んで美味しいポストを譲ったりしません。誰もが好んで仕事のノウハウを提供しません。成長の原資となるストレッチした経験が少なく、モチベーションともリンクせず、目指すべきロールモデルもいなけりゃ、フィードバックをもらうのも一苦労。成長のハードルは上がる一方です💦
令話時代のビジネスパーソンに求められること
日本企業の人材育成を支えた諸条件はもうありません。元に戻ることもありません。日本の総人口は加速度的に減少しているので国内マーケットは縮小します。成長の原資である成功体験は減少します。追い打ちをかけるように働き方改革で、さらに仕事経験は得難くなるでしょう。令和時代のビジネスパーソンに求められるのは、経験から学ぶ力になるでしょう。少ない経験から成長できるか否かが分かれ目になると思います。経験から成長する際に差がでるのは、経験を振り返った後の教訓化です。教訓化するためにはインプットが必要です。平成時代と違うのはインプットの領域もあります。従来は自分の専門領域の知識や技術のインプットが大切でした。寿司職人になるなら、寿司に関わる食材、道具、技術を覚えることが重要でした。令話の時代は、今日の正解が明日の不正解になる時代です。だから寿司だけでなく、イタリアンやフレンチの知識も必要になるかもしれません。経営や財務やマーケティングも必要になるかもしれません。知識以外に感性を磨くことも重要になるでしょう。目の前の仕事に集中する一方で、興味関心の翼を広げる。越境学習ができるかどうか、すなわち学び方自体で差がでるように思います。
面白い時代
なんか平成より令話の方がビジネスパーソンは大変そうです。でも、面白い時代ともいえます。平成時代の企業は滅私奉公の世界でした。企業とビジネスパーソンは主従の関係です。上司がカラスが白いと言えば、従がわざる得ないような環境でもありました。しかし、令話になるとそんな企業は衰退する一方でしょう。個人の能力とモチベーションを最大に引き出すことができる企業が成長するはずです。企業と個人がより対等に違い関係になるでしょう。そう意味では、ビジネスパーソンにとって厳しいが面白い時代に突入していくのだと考えます。