クマ坊の日記

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【大人の学び】 越境学習は気づきの宝庫

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社会人になる前までは、学習とは「頭の良い偉い先生が、何も知らない学生に講義を行うもの」だと私は考えていました。でも、社会に出てみると学習方法は多種多様で、生きて行くことそのものが学習の連続であることを気づかされます。今日はそんな学習方法の一つである「越境学習」について考えてみたいと思います。

 

 

 

無印良品の元会長 松井さんの話

我が家でも重宝している無印良品。そんな無印良品の中興の祖である、松井さんと以前、お仕事を一緒にさせて頂いたことがあります。その際、面白い話をたくさんお聞きすることができました。その中のエピソードの一つが「製造現場から学んだマニュアル」でした。無印良品は一度潰れかけたことがあります。立て直しのために様々な手を打ちました。業務改善の一環として取り入れたのがマニュアル整備でした。かつての無印良品は商品カテゴリー毎に専門の担当が分かれていたそうです。こだわりの品を専門知識豊富な店員が販売する。とても良さそうに見えますが、物事にはなんでもメリット、デメリットが存在します。あまりに属人的な仕事のため、その人以外、誰も対応できないなんて事態に陥ったそうです。その結果、顧客対応がおろそかになりますます客離れに拍車がかかる。まさに悪魔のサイクルです。そこで、松井さんは発想を転換しました。社員の誰もが商品知識や顧客対応に一定のパフォーマンスを発揮できるようにならないか。。。そんな問題意識を持っている時に出向いたのが、あるメーカーの製造現場でした。その現場では、マニュアルが整理されてマニュアルに沿ってモノ作りが行われていました。製造現場では当たり前の光景ですが、小売の世界からすれば革新的に見えたそうです。製造現場のマニュアルを徹底的に勉強して、現在の無印良品の店舗オペレーションの基盤がつくられたそうです。ここで大切なのは、同じ小売業界からではなく、全く畑が違う製造現場からヒントを得られたということです。

 

越境学習

松井さんが図らずも実践していたのは、専門用語で「越境学習」といいます。自分の慣れ親しんだホームから、全く畑違いのアウェイに踏み込むことで、様々は気づきを獲得することができます。海外、国内問わず旅行するなんていうのも越境学習です。私も過去、仕事で弱っている時にニューヨークを旅して色々な刺激を受けました。私の妻は、アメリカの西海岸の暮らしに感銘を受けて、当時の会社を辞めて花屋に転職しました。ビジネスパーソンは熟達すればするほど直感や感覚が研ぎ澄まされ生産性が高まります。その一方で、視野狭窄にも陥ります。必要のない情報を脳からシャットアウトしたほうが生産性は高まりますから。でも、環境が変わると熟達化が仇となることがあります。かつての無印良品のように専門性がビジネスの進歩の邪魔になってしまうように。だからこそ、自分の領域を大切にしつつも定期的に自分の領域を越えていくことが大切になるんです。

ブログは越境を支援してくれる

世の中には様々な分野のブログが存在します。興味あるテーマのブログを主に読者登録していますが、全く興味がないテーマや普段合わない属性の人のブログも読者登録しています。すると自分では普段アンテナに引っかからないような情報がひっかかってきます。読んでいる時は、「そうなんだー」「へー」しか言葉は出てきませんが、自分の仕事に参考になるようなヒントに出会うこともあります。もちろん実際に行動して情報を取りに行くのが最も大切ですが、普段から色々な情報が入ってくる場を持つということ自体も大切だと私は考えています。

境界を越えていく

私は何故か学生時代から、境界を越えていくことに漠然とした憧れを持っていました。外の世界に答えがあるわけではないんだけど、外の世界に飛び出すことで自分の価値観に揺らぎを与えること自体が大切だと考えていました。考えていたというより、やはり「なんか人としてカッコいい」という憧れでした。私にそんな憧れを与えてくれた懐かしの本を最後に掲載しておきます。

 

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

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ASIAN JAPANESE―アジアン・ジャパニーズ〈1〉 (新潮文庫)

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