NHKのドキュメント72時間シリーズが私は好きです。毎回、異なる現場をセレクトし72時間カメラが密着。その場を訪れる人々にインタビューするという番組です。それぞれの人生模様を垣間見ながら、自分自身を振り返ったり、世の中の潮流なんかも感じることができます。最近、興味深かったのは「巨大転職フェア」でした。番組見ながらビジネスパーソンのキャリアについて考えてみました。
キャリアとタイミング
転職フェアに参加された人の理由はそれぞれ。残業多かったり、職場の人間関係、体を壊してしまったり。印象的だったのは就職氷河期世代。正社員の枠が狭まり、非正規社員としてキャリアを積み、成果をあげるが、結局正社員としての道が閉ざされ転職フェアに参加されていました。私も就職氷河期と世代が近いので複雑な気持ちで番組をみていました。私ももう少し生まれてくるのが遅かったら、テレビでインタビューで答えていたのは私かもしれません。新卒一括採用が生み出す弊害の最たるものです。
仕事に行き詰まったら3つの視点でキャリアを見直してみる
現在の仕事や自分のキャリアに行き詰まって悩んでいるビジネスパーソンもいるかと思います。そんな時は自分の好みに合わせて仕事の認識ややり方を見直すことをお勧めします。このことを専門用語で「ジョブクラフティング」といいます。具体的には3つの視点から仕事を見直す作業を行います。
- 業務の視点
- 人間関係の視点
- 仕事の意味づけの視点
それぞれの視点で今の自分の仕事を洗い出します。業務を洗い出し、1日、1週間、1ヶ月、1年間でどんな業務をしている時間が多いのか洗い出したり、職場や取引先の人間関係を洗い出したりします。そしてそれらを見ながら、自分の情熱や強みにあった仕事を増やすにはどうすればいいかを考えています。
ここで大切なのは、自分自身をどれだけ理解しているかです。何が好きなのか、何が得意なのか、どんなときにやり甲斐を感じるのか。。。日々忙しいビジネスパーソンはこんなことを考える暇もありません。また、心身ともに弱っていて冷静に自分を分析できない時もあるかと思います。まずは自分自身と向き合う時間をしっかり取るということから始めなければいけません。
もう一つ大切なことは、外の世界を知ることです。今回の転職フェアしかり、外にどんな働き方があり、自分が価値提供できる経験やスキルがどれぐらいあるかも情報収集しておかなくてはいけません。
私は慎重なので、越境学習やパラレルキャリア(副業とか本職とは違った仕事)を通してあたりをつけながらキャリアを検討します。イメージでいえば片足で現在の仕事の足場を築きながら、もう片方の足で可能性を探すという感じです。
未来の働き方
これからは企業や組織に属するだけでなく、短期間に多様な人と協働して成果を出すプロジェクト型の働き方も増えてくると思います。日本企業のホワイトカラーは特に生産性が低いのですし、その一方で働き方改革の潮流は変わらないでしょうから。でも、考えようによっては個人のアイデアや強みがますます重視される時代になるということです。ビジネスパーソンにとっては厳しくもあり、楽しい時代になると私は考えます。だからこそ、主体的にキャリア形成する思考が必要になるはずです。