今日はキャリア開発に関するお話です。とても珍しい経験をお持ちのビジネスパーソンと出会いました。なるほどなと思うことがあったので共有したく記事を書いていました。
10回の転職でキャリアアップしてきた達人
先日、面白いキャリアのビジネスパーソンにお会いしました。Tさんはシステムエンジニア。大学卒業しましたが、就職氷河期で正社員の職は得られず。派遣のシステムエンジニアとしてキャリアをスタートさせます。その後、Tさんは10回転職を繰り返し、現在はフリーのプロジェクトマネジャーとして活躍されています。10回の転職経験した人に会ったのは初めてだったので驚きました。年収も最初は300万だったのが、いまや1000万以上の年収を稼いでいます。I
自らの希少価値に気づく
Tさんもさぞかし高いIT技術を磨いて現在のキャリアを築いてきたのだと、私は考えていました。しかし、Tさんは笑いながら「私の専門知識やスキルは極めて平凡なものです」と否定します。さらに突っ込んで話を伺うと、コミュニケーションスキルを高めることで、キャリアアップを実現してきたそうです。それを聞いて物凄く違和感を感じました。何故なら滑舌が悪いし、物凄くコミュニケーションが上手には、見えなかったからです。
Tさんも働き出したときは、必死で専門スキルの習得に励んだそうです。励むというより、いきなり仕事という海に突き落とされて、生き延びるために必死に泳ぎ方をマスターしたそうです。やがて仕事にも慣れ余裕が出てくると周囲を観察できるようになったそうです。SEになる人は、コミュニケーション下手な人が多いです。下手したら朝と帰りの挨拶以外は職場で声を出すことはなく、全てチャットで会話するのが当たり前だそうです。Tさんも世の中一般で比べたらコミュニケーション能力が高い方ではありませんが、SEの人種の中ではコミュニケーション能力が高い方だったと気づきます。何故なら、みんな対面のコミュニケーションが苦手なため、チームをマネジメントするプロジェクトマネジャーは困ってしまいます。そんかチームで普通な会話ができるTさんは貴重な存在になります。プロジェクトマネジャーの相談役、チームの円滑油的な存在として重宝がられます。当然、あちこちのプロジェクトからお呼びがかかり、プロジェクトの切れ目で転職を繰り返してきたそうです。やがてTさん自身もプロジェクトマネジャーを担当するようになり、システムエンジニアのモチベーション管理に長けていると評価を得てステップアップしてきたそうです。
自分を客観視する
Tさんの話を聞きながら、改めて自分自身を客観視できる力はキャリア形成において武器になると感じました。引いたポジションから自分の強みや、職場における立ち位置、引いては人材マーケットでの自分の価値を分析できる人は強いです。Tさんはコミュニケーション能力を高めるために、コーチングやNLPなどを自費で学習されたそうです。昨日書いたキャリアのピボットを意識的に行ってきたということです。大前提として、軸足であるITスキルを磨いた事で、新たなチャレンジが可能になったわけです。これが最初からコミュニケーションを伸ばそうとしていたらキャリア開発は上手くいかなかったように思います。まず、目の前にある仕事に食らいついたから2歩目が出せたのだと思います。