クマ坊の日記

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【人材育成】リスキリング時代の、ビジネスパーソンの能力開発

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私の生業は企業の人材育成を支援することです。イメージしやすいのは、管理職研修や新入社員研修でしょうか。人材育成の世界では、毎年、新しいキラーワードが誕生します。最近であれば、心理的安全性やジョブ型人事。それにリスキリングといった言葉です。新しい知識やスキルの獲得は、ビジネスパーソンとして生き残っていくためには大切な事です。今日はビジネスパーソンのリスキリング時代の能力開発について考えてみたいと思います。

リスキリングとは

リスキリングとは、技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶことです。この言葉が注目を浴びたのは、2020年のダボス会議でした。ダボス会議はスイスの非営利財団世界経済フォーラムが毎年1月に開く会議です。この会議には世界の政財界のトップが集まり地球規模の課題について話し合うものです。非常に影響力が大きいのも特徴です。この会議で世界は現在、ビッグデータ、IoTやAIなどに代表される第4次産業革命の中にいる。産業革命と言われるぐらいだから、これまでのビジネスも大きく変わる。それに伴いビジネスも大きく変化するから、働く人々に求められるスキルセットも変わるよねという話です。

 

ドイツの自動車メーカーの話

海外ニュースでドイツの自動車メーカーで働く、ベテランのエンジニアのエピソードが強く印象に残っています。そのエンジニアはエンジンの設計を担当していました。会社がガソリン車から電気自動車へドメイン変更を決めたため、ベテランエンジニアが不要になりリストラを宣告されてしまう話です。20代、30代の社員は再教育の機会を与えられましたが、50代は問答無用でリストラの対象となりました。働く側からすれば衝撃です。ひたすら自分の専門スキルを高めてきたのに、ある日突然、大前提が崩壊するわけですから。個人のリスキリングの難しい点は、このある日突然、非連続な世界に襲われる点です。リスキリングの重要性は分かるけど、目の前の仕事もあるわけで。いつからリスキリング始めたらいいのか難しいのが実際です。

 

常にピボット

結論から言うと、本業があるうちに絶えず新しいことにチャレンジすることが大事になります。バスケットボールで言うピボットです。片足を軸足としながら、もう片方の足を動かして可能性を探索していく感じです。ビジネスパーソンの能力開発も似ていて、本業がしっかりしていると、新しい能力開発にもチャレンジしやすいです。私自身の話で言うとキャリアシフトを意識して行ってきました。人材育成というフィールドは変えずに、営業→開発→コンサルタントと領域をズラすことで能力開発を行いスキルを高めてきました。今もこのキャリアシフトは行っています。新しい資格取得に挑戦したり、新しい専門領域の仕事にトライしてみたりしています。

 

ヒューマンスキルとコンセプチャルスキルは持ちがイイ

新しいスキル、知識の獲得にチャレンジしつつ、日々の業務で大切にしているのはヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルの拡大です。ポータブルスキルと呼ばれるこれらのスキルは仕事の基本です。組織で仕事する以上、コミュニケーションを初めとするヒューマンスキルは不可欠です。問題や課題の設定もセンスが問われます。一見地味ですが、キャリアシフトでもキャリアチェンジでも持っていけるスキルなので重宝します。両方を高い次元で持っている人も意外に少ないですしね。