クマ坊の日記

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【人材育成】OJT制度とメンター制度の違い

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部下育成の本質は、今も昔も変わりませんが進め方は時代によって変化してきています。従来であれば育成の代表的な仕組みはOJTですが、昨今はOJTとは別にメンター制度も取り入れている企業もあります。今日はOJTとメンターの違いについて考えてみます。

メンター制度とは

メンターは、「良き指導者」を意味します。語源はギリシャ語のメントールからきています。メントールは何かと言うと、古代ギリシャの詩人ホメロスが書いた叙事詩オデュッセイアに出てくる、主人公を育てる老賢人の名前です。そこから、良き指導者という意味に転じます。日本企業内で使われるメンター制度は、良き指導者というより、年の近い相談相手という位置づけの意味合いが近いように見えます。理想は若手の良き指導者が理想なんでしょうが💦

一昔前であれば、同じ職場の先輩がOJT担当になり、職場ぐるみで育成するのが常道でした。しかし、仕事が細分化されて全てを指導できるようなロールモデルになる先輩がいなかったり、そもそも定期的に採用ができていないため指導する側と指導される側の年齢差が離れすぎるなど指導環境自体を整えるのが難しい時代となりました。そこで、指導も分業制にしようというのがメンター制度です。業務は同じ職場の仕事に精通している人が教え、別の職場の歳の近い先輩がその他の相談役を担います。

 

メンター制度のメリット

同じ職場の先輩、後輩ではない斜めの関係を構築できるのが、一番のメリットです。距離が近いから言えることもありますが、程よい距離感だからこそ言える、聞けることもあります。一言で言えば気軽ということです。また、メンターのキャリア開発にも役立ちます。人の悩みを聞いたり、指導する経験は将来マネジメントを担当する際に役立ちます。

 

メンターに求められるスキル

メンターに求められるのは、コミニケーションスキル。特に相手の話を聴く技術です。ただ聴くだけでなく共感して聴けると素晴らしいです。もう一つは、繋ぐ技術。社内、社外の人とメンティーを繋げてあげる技術です。全ての悩みをメンターが解決することはできません。そんな時に、適切な人を紹介できることが求められます。人脈があれば最高ですが、そうでなくても○○さんに聴いてみたらいいかもしれない程度の情報でも、メンティーにとっては貴重な情報提供になります。

 

メンターとメンティの相性も考える

ただいくらメンターにスキルが備わっていても、メンターとメンティーの相性が悪いと関係性を作るのは難しくなります。そこで人事部にお勧めしているのがコミュニケーションや行動特性を分析するアセスメントツールの導入です。より科学的な視点で測ることもできますし、関係性を構築するプロセスでも役立ちます。費用が少し高いので導入を躊躇する企業もありますが、若手の離職防止コストだと捉えれは格安です。