先日、企業の採用担当者と新年会で飲んでました。「ハイスペックの人材を採用できたと思ったら、戦力になる前に辞めてしまった」とぼやかれていました。今日は新参者が組織に馴染む為に何が重要かを考えてみたいと思います。
企業側が考える成功した採用とは
企業側が考える成功した採用とは、ハイスペックな人材が採用できることではありません。採用した人材が戦力になって成果を出すことです。しかし、戦力化までは時間がかかるので採用担当者の評価はいかにスペックが高い人材を採用することになります。優秀な人材は話をすれば分かりますが、いわゆる平均的な人材は見極めが難しい。結局、相性が良さそうで学歴が良さそうな人を選びがちです。でも、入社してから活躍できるか否かが経営者としては最も関心があるところです。
成長が困難な時代と即戦力への期待
従来の日本企業は採用して仕事に馴染めば、多くの人が戦力となりました。企業自体が成長しており、終身雇用を前提としていたので戦力になるまでの時間的猶予も充分ありました。しかし、現在は成長のリソースとして最も重要な「経験」を獲得するのが困難な時代です。働き方改革で物理的な時間も短くなっていますし、生産性が求められるので仕事のサイズ自体も小さくなっています。与えられた作業の習熟は早いけど仕事の全体像が掴めないし成長実感も持てない。そもそも今までその企業で良しと考えられていたキャリアパス自体が無くなっているケースも多いですし。このように人が成長するのが困難な時代なのですが、企業側は個人に即戦力になることを求めます。採用コストは一人500万〜1000万。企業が即戦力を期待するのもしょうがありません。
新参者が組織に馴染む為に必要なこと
新参者が組織に馴染むことを社会化と言います。社会化の主体は2つあります。新参者の受け入れ側の組織と主体者である新参者自身。組織の側の代表的な施策は研修やOJTやメンター。それ以外にも歓迎会とか先輩社員との座談会もあたります。これらを専門用語ではオンボーディングといいます。語源は船や飛行機に乗ることをon boardです。新しく乗り込んできた、乗組員や乗客をサポートすることで慣れてもらうことです。昨今の人事部ではこのオンボーディング施策を充実させることが重要だと考えられています。
個人の側で言えば、積極的に職場の情報を取りに行き、アジャストいくことになります。自ら積極的に情報を取りに行くがポイントですね。組織から公式に説明される情報より、インフォーマルな情報の方が役に立ちますね。社内の専門用語、謎ルール、上司の志向性、職場の人間関係、DBの使い方・・・。情報を取るにはコミュニケーションが大切だという話ですね。