先日、広告代理店のメンバーと雑談をしていました。元々、クリエイティブ職だったのですが現在はマネジメント職も兼務しているとのことでした。お互い業種は違いますが、同じような境遇なので話が盛り上がりました。今日はその時の話題になった管理職の役割に関するお話です。
管理職とサッカーの監督の共通点
一言で申し上げれば、「自分の考えを、人を動かして、実現する」です。考えは経営から降ってくると思われるかもしれませんが、自分が担当する部門で何をするかは管理職が翻訳しなくてはいけません。翻訳するだけでなく、プラスアルファの付加価値もつけなくては存在意義がありません。当たり前の事ですが、上から下りてきた方針をそのまま、丸投げする管理職は多いものです。
では、翻訳して自分の考えを入れれば実行できるかと言うと、そんな安易なわけではありません。私はサッカーが大好きで、横浜F・マリノスのファンです。いくら指揮官がいいビジョンや作戦を与えても、その通りいかないのがサッカーです。相手チームも必死で戦いますし、自チームの選手のコンディション、戦時理解度、スキル。スタジアムの気象条件、審判のレフリング。コントロール不能の変数も多いわけですから。もっともサッカーはまだルールに基づいて試合ができるから、再現性をコントロールできる範囲が多いように見えます。それでも、試合に勝てる確率は最大でも50%程度だそうです。
管理職の実際
一方、企業で働く管理職を取り巻く環境はもっと変数が多いように見えます。サッカーやってたら、いきなりゴールが小さくなった。試合中にサッカーボールが3個追加される。退場者が現れる。チームメンバー同士が試合中に喧嘩を始める。味方ゴールにオウンゴールを叩きこむ奴が出てくる。相手がいきなり試合からいなくなる。90分の試合が前半だけに変更される。サッカーの試合してたのに、大会主催者から相撲での勝負に変更される💦
実際の管理職の職場をサッカーに例えると、コントみたいな設定になりますが、経験者は結構あるあると共感してくれるのではないでしょうか。
地べたを這い回る
管理職の役割である「自分の考えを、人を動かして、実現する」は本質ですが、実現するためには前述したようなクレイジーな環境を乗り越えていかなくてはいけません。結局、地べたを這いずりながら、手も足も、頭も心も使いながは対応していくのが実際です。また矛盾しますが、地べたを這いずり回るだけでは同じループ地獄から抜けだせません。頭を上げて、状況を観察し自らアクションを起こすことも必要です。優秀な管理職は自分で考えて、良い塩梅でアクションを起こせますが、普通の人は難しいです。サッカーは観客席からグランドを眺めれば状況を判断できます。しかし、グランドに立つ選手から見える視界はまた異なります。グチャグチャしていて、把握するのが大変です。それと同じです。
プレースタイルの原則を理解する
優秀なサッカーの監督は、チームのプレースタイルの原則を定着するのが上手いです。事細かなルールではなく、プレーの原則です。グランドは混乱しているので、選手が決断して行動しなくてはいけないからです。その為にもプレー原則の拠り所があると安心します。優秀な企業や良い職場も似た所があります。その会社の仕事のスタイルが浸透している管理職は、マネジメント力が高いように見えます。その上で、自分の長所を乗っけると変えの効かない人材となるように思います。