クマ坊の日記

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【マネジメント】管理職が曖昧なゴールを設定する理由

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私の生業は企業の人材育成支援です。イメージしやすいのは、管理職研修や新入社員研修です。管理職研修で扱うテーマは年々多岐に渡ります。マネジメント、リーダーシップ、戦略やマーケティング、人事考課、コンプライアンス・・・私自身も管理職でありますが期待役割が年々増えています💦 管理職が身につけるべき大事なスキルのひとつに目標設定があります。しかし、この目標設定、曖昧なゴールを設定する管理職は驚くほど多いです。今日は管理職の目標設定がなぜ曖昧になりがちかを考えます。

目標の3要素

目標は仕事を進める上で非常に大切です。目的地が分からなければ、社員もどのように仕事を進めたら良いか理解できません。目標の3要素は「何を」「どれだけ」「いつまでに」です。最低限、この3要素が含まれている表現で目標は設定されていなければなりません。でも、実際はどんな目標設定をしているのかを分析してみると、この3要素が含まれていない表現がなんと多いことか。日本語の特徴も起因していると考えますが、「努力する」「推進する」「目指す」「徹底する」などです。

なぜ目標が曖昧になるのか

ご本人の国語力の問題のケースも多いのですが、管理職の立場からすると、そもそも経営から下りてくる目標自体が曖昧だと言う意見もあります。しかし、不特定多数の社員にメッセージを伝えようとすれば、表現が曖昧になるのは当然です。管理職は経営方針を翻訳して、自分の職場では何をするかを決めなければなりません。多くの場合は、この翻訳の作業が出来ていないケースが多いです。単純な知識やスキルの問題であればトレーニングで改善できるのですが、文化や組織風土の問題だと厄介です。

組織文化の問題

たいの大人が、目標の3要素や曖昧表現がよくないなんてことわ一度聞けば分かる話しです。しかし、それでも曖昧表現が後を絶たない企業には組織文化で問題を抱えているケースがほとんどです。失敗を許さない、減点主義の企業文化です。大人は子供と異なり、自分の経験や価値観に紐づけて自分の行動を選択します。つまり、曖昧な目標設定にしておいた方が、自分の評価にとって都合が良いことを学習したことになります。曖昧な目標、曖昧なゴールにしておけば、達成できなくても誰からも批判されることはありません。失敗する前から、面目を失わず逃げ場済むように逃げ場やいい訳を用意しているわけです💦 減点主義な文化を持つ企業で見られる傾向です。