クマ坊の日記

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【ビジネススキル】報告が出来ない若手社員

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私の生業は企業の人材育成支援です。イメージしやすいのは、企業で実施される管理職研修や新入社員研修の企画運営になります。年末から年始にかけては、新入社員のフォロー研修や2年~3年目社員の研修のご相談が増えます。研修を企画するにあたって、人事部からの要望でよく伺うのが、「報告ができない若手が多い」です。今日はこの話題について考えます。

いつの時代も共通の課題

「報告が上手く出来ない若手問題」は今に始まった事ではなく、昔から相談の多いテーマです。20年前から研修テーマとして扱うように記憶しています。ただ問題の中身が少し変化してきているような肌感は感じています。それは、報告に関する技術的な問題から、上司と部下の関係性に関わる問題の方が根深くなってきたという感覚です。

報告に関する技術的な問題

これは一言で申せば、「ちょっと何言っているか分からないんですけど?」です。大きくは2つの技術的問題が起因しています。一つは、ロジカルに構造化できていない。もう一つは表現方法です。どちらとも、学生時代に馴染みが薄いので、上手くいかないのは仕方ないようにも思います。もっとも、最近の若手は学生時代からプレゼンテーションにも慣れているので、20年前の若手よりは遥かにレベルが高いようにも見えます。

関係性の問題

より新人、若手を悩ましているのが上司や先輩との関係性を構築することにあるように見えます。例えば、上司な先輩が忙しそうにしていると、報告するタイミングを逸してしまう。些細に思える報告ほど気軽に報告できない。関係性が出来ていないので、緊張して上手く話せない。上司先輩の立場からすると、そんな様子を見ると、タイミングも悪く、話の要領も得ない新人後輩のように映ります。また、報告はビジネスの基本中の基本なので、上司先輩からすると「そんな事も出来ないのか」と落胆します。

組織の問題としても捉える

コロナ以後、リモートワークも増えて職場での関係性を構築するのが、新人若手にとって難しくなっています。職場内で意図的にメンバーの関係性を作る時間を作ることが大切になります。例えば、私自身は毎週のミーティングの前に雑談の時間を取るようにしています。「週末の出来事」「寒さ対策」「秋に訪れたい場所」毎回、テーマを変えて、時にはフリーテーマで雑談します。このような時間を取るだけでも、メンバー相互の理解が進み、関係性も構築しやすくなります。

報告が出来ない、報告が苦手な若手社員として捉えると、問題は個人のスキル不足になります。しかし、よく観察してみると組織内の関係性にも問題が内包されている場合もあります。個人と組織、両方に着目しなくてはなりません。