クマ坊の日記

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【マネジメント】マネジメントは「型ハメ」「型外し」

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マネジメントの最大の目的は、「機会損失を最小限にすること」にあります。そのために、自分の考えを周囲のメンバーを動かして成果をあげることを管理職は期待されます。マネジメントの本質は変わりませんが、管理領域が広がっています。そのため難易度が高まっています。今日はマネジメントの複雑性と管理職の育成について考えてみます。

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大量生産時代のレガシー

冒頭、お伝えした通りマネジメントの目的は「機会損失を最小限にすること」です。これは、マネジメントが誕生した背景と関係があります。トップダウン方式の組織形態で、効率を追い求めた最適解でした。かつて日本経済が右肩上がりの時代は、とにかく技術をアップデートしながら製品を改善していれば、売上を高めることができました。経営者が定めた問題について、現場はひたすら解決策を磨き続けることを求められます。管理職は業務とそこで働く人の両面に目を配りながら采配を奮っていきます。無駄なく、効率よく作業を分担、遂行できるのが優秀な管理職とされました。

 

ワークショップ型の要素も加わる

しかし、現代は良いモノを作っても簡単に売れる時代ではありません。市場自体が多様な価値観で形成されているので、良いモノの定義自体も難しいのが実際です。このような状況下では、従来通りのマネジメントだけでは成果があげられない領域が増えています。はっきり二分されていれば、まだ対処もし易いですが、職場ごとに濃淡が存在します。従来型のマネジメントも回しつつ、ワークショップのようなマネジメントも並行して求められるようになります。ワークショップ型とは、あらかじめ定義された設計図は存在しません。目の前のリソースを使って、試行錯誤しながら最適解を生み出していくようなスタイルです。管理職はメンバーの力を引き出す、ファシリテーション力が問われるようになります。従来のマネジメントが自ら引っ張ることを周囲から期待されたのに対して、ワークショップ型では背後からメンバーの背中を押すようならイメージです。そして、実際の職場ではこの二つの役割をこなさなくてはなりません。

 

型ハメから型外し

私は歴史のある企業の管理職の支援をすることが多いです。新任管理職にはまずは、従来通りのマネジメントの基本を指導します。管理職として現在の業務を回していくのに必要ですから。これを「型ハメ」と呼んでいます。一方、既任の管理職には「型外し」を指導します。アンラーニングとも呼びます。すでに身につけたマネジメントのやり方とは、異なるマネジメントです。マネジメントというより、リーダーシップの領域になります。型外しの方が、習得するのは何倍も大変です。例えていうなら、自分が着てきた服を再度素材にバラして、その糸を作って新しい服を紡ぐような作業のようなものです。「なんでお気に入りの服を脱がなくてはいけないんだ」「なんでいったんバラして、また服を作るなんて面倒なことが必要なのだ」という話です。まあ、最終的には本人自身の問題ですが、型ハメ型外しの両方が管理職には問われている時代を私たちは生きているという事です。