クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】大人の学びは、人のご縁とタイミング

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私の生業は企業の人材育成を支援することです。イメージしやすいのは、管理職研修や新入社員研修です。これら研修は教室の中で講師が受講者に対して伝える形式です。これらの形式はビジネスパーソンの学びでいうと僅か10%の影響しかありません💦 今日はビジネスパーソンの学びについて考えます。

インフォーマルな学びでみんな育ってきた

昭和、平成の時代を企業人として駆け抜けてきた人は同意されると思いますが、ビジネスパーソンとしての学びは、インフォーマルな場にありました。残業後の居酒屋で上司や先輩との熱い仕事談義の場。煙草部屋で一服しながら仕事の苦労話を共有するなど。

日本人は学校教育に慣れ親しんでいるので、学ぶ=先生から学校などの教育機関で知識を伝達することを想起する場合が多いですが、実際に役に立って学びを振り返ると前述したようなインフォーマルな場の方が多かったと思います。つまり、社会には様々な学びの場があることを忘れてはいけません。

 

インフォーマルな学びの弱点

インフォーマルな学びの特徴は口伝です。人づてに情報に入手し、そこから学ぶことができます。この学びが優れているのは、現場の知恵が吸収できること。場合によっては最先端の学びも入手することが可能です。

以前、家電メーカーの修理部門の人材育成メニューを作成支援する機会がありました。そこで修理部門のハイパフォーマーにインタビューさせて貰ったことがあります。興味深い話ばかりでした。一例を紹介すると、家電に弱いお客様から修理を依頼された時は、わざとお客様に修理箇所が見えるようなアングルで修理するそうです。何故なら、ちゃんと修理していないのではないか?と心配に思うお客様がいるからだそうです。修理箇所を見えるようにすることで、ちゃんと修理してくれている感が増すそうです。彼らはこれらのノウハウは休憩室での雑談で共有していました。「今日はこんな難しい現場に遭遇したけど、こんな風に対応したら、上手くいった」という具合です。

しかし、このインフォーマルな学びにも弱点があります。それは学びの場が、人の御縁とタイミングに大きく作用される点です。自分が学びたい領域に詳しい人に出会わなければ、学ぶことはできません。また、普段からの関係性構築にもコストがかかります。前述した家電修理を思い出してください。この場合だと仕事ができる先輩から後輩への伝達でした。でも、先輩がどの後輩たにも同じように技を伝えていた訳ではありません。可愛がっている後半だから、たまたま同じタイミングで休憩室で寛いでいたから。。。人の御縁とタイミングに大きく影響される訳です。また、教えてもらうには貴方が相手にとって有益な情報を持っていると認知されなくてもいけません。そう考えるとインフォーマルな学びはハードルが高いのかもしれません。