クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】他者との学びが、成長に繋がる

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私の生業は企業の人材育成の支援です。イメージしやすいのは、企業内で実施される管理職や新入社員研修の企画実施です。近年、企業が社員に求める人材像として自律型人材があります。何でも主体的に考えて行動してくれる人材です。勢い転じて、学習自体も個人の自主性を重んじる、もっと飛躍して、スキルアップは個人で頑張れ!教育機会だけは会社で用意するという企業も増えてきています。今日はビジネスパーソンの学びについて考えてみます。

会社が望むようなテーマを、自主的に学ぼうとする社員はごく僅か

自律型人材、キャリア開発に個人が責任を持つという点については私も賛成です。今も昔も、成果を上げようとしたら、その道のプロフェッショナルになろうと思ったら、個人で頑張ることは外せません。もっとも当事者は、無理して頑張っているわけではなく、自分を突き動かすドライブがあるから頑張れるのだと思います。企業の人事担当と社員の間でボタンをかけ違うのは、まずこの点です。社員の全員が、現在の仕事や処遇に満足している訳ではないということです。2-6-2の原則にもある通り、自主的に意識的にキャリア開発、しかもキャリア開発のテーマが会社側が望んでいるテーマと合致している社員は、せいぜい上位2割に過ぎません。中間の6割の関心事は「今の職務」ですし、仕事以外の関心事も多数あります。そういう状況を鑑みると、選択型の教育機会をいくら拡大しても、学習する社員は限られます。その状況を見て、我が社は自律型人材が少ない、学習する風土がないと人事が嘆いても現場実態とズレている教育施策になってしまいます。

 

個人での学には限界がある

学生時代の受験勉強のイメージが強いため、学習🟰個人で学ぶと考えている人も多くみます。勿論、個人で学べることはありますが限界があります。正解がある内容であれば個人で頑張れます。資格取得の勉強は個人だけでも頑張れるかもしれませんが、資格を活かしてマネタイズしようと思ったら、独立では難しいですよね。しかし、経験者からのアドバイスや一緒に仕事する機会を得られることで、道が広がることもあります。人はそれをご縁と呼びますが、他者の助けなしに成長出来ないことは、社会人であれば経験している事です。

他者との学びの効用

他者との学びをご縁と言ってしまうと乱暴なので、もう少し詳しく見ていきます。

  1. 見て学ぶ
  2. 教え合う
  3. 共有する
  4. 高め合う

見て学ぶは、自分より熟達する人のやり方を見て学ぶ方法です。スキルのは言語化が難しいものもあります。自分より熟達した他者がいるから学習することができます。昔から「他人の振り見て我が振り直せ」という言葉もありますよね。教え合うも、直感的に理解出来ると思います。人から教えられるより、人に教える方が自分の成長になることが多いです。人から教えられるは、どうしても受身の割合が多いです。教える方は、脳みそフル回転させて、教え方を考え、実際に教えることで、教えられる側から即座にフィードバックを受けることになります。経験学習サイクルを自ら回すのですから、成長するのも当然です。共有するは、単なる情報の共有も含まれますが、それ以上にパワフルなのは、他者と一緒に未知の仕事を共にする機会です。私も他のコンサルタントや外部の協力者と初めての仕事をする時が、そのプロセスを通して刺激を受け成長実感を感じます。そして最後は、ライバルの存在です。社内のライバルもありますが、それ以上に社外の競合です。コンペやマーケットでの顧客獲得の経験が、成長を促します。

他者と共に学ぶ機会をいかに作るか

企業の人材開発の担当者は、社員の育成を検討する際に、個人にフォーカスしすぎては、効果の少ない施策になってしまうこともあります。自律型の人材を育成したいのであれば、学びは他者といかに繋がるような学習機会を設けることが大切になります。