クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】自律型人材祭りと職場環境

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11月から2月は私の業界は繁忙期です。来年度の人材育成計画を各社策定している時期だからです。おかげさまで今年も沢山のお客様からご相談を頂いています。今日は昨今の企業の人材育成トレンドについて考えてみます。

自律型人材祭り

いきなりですが、もの凄く勢いがあるご相談は「自律型人材育成」に関するご相談です。これまで多くの企業は、いわゆる階層別と呼ばれる教育を提供してきました。新入社員研修や管理職研修というものです。ある階層になったら対象者全員に対して一律の教育を実施するというものです。これは凄く理にかなっていた教育でした。何故なら企業の人事管理と一致していたからです。新卒を一括採用し、終身雇用を前提に、ギリギリまで競わせることで全体の底上げと求心力を持たせる。企業側は組織の要請に応じて人を配置するわけですから、組織文化に馴染んだ上で与えられたポジションで生産性が高い社員を育成する必要がありました。

その前提であった人事施策が曲がり角を迎えています。経団連が新卒一括採用見直しを提言していたのは記憶に新しい所です。働き方もコロナでリモートワークが進みました。OJTはいよいよ機能しなくなってきた感もあります。タレントマネジメントシステムも普及してきたので、より個別管理が出来やすくなったのもあります。人事制度も職能型からジョブ型に移行を検討している背景もあります。

自律型人材の育成は、乱暴に申し上げれば企業で学習機会は提供しますが、キャリアは自分で考えて自分で開発してくださいよと言うことです。

 

個人の能力開発は自己責任

個人的にも個人の能力開発は私も個人で責任を持つというのが大前提だと考えます。自分の職業人生ですから。自分の強み弱みを理解しながら、自分の学習スタイルで気持ちよく学習するのが良いと思います。

 

ひとりでは遠くまで成長できない

キャリアは自分で築いていくのが基本ですが、忘れていけないのは、1人では成長できない事柄の方が多いという点です。研修や映像や書籍を通して得られるのは大人の成長のせいぜい1割です。上司や先輩や同僚の助けを借りたり、お客様に恵まれたり、ストレッチな経験を積むことの方が成長の9割を占めます。人材開発の責任者はこの視点を忘れてはいけません。自律型の人材だから、キャリア開発も自己責任というのはもっともらしい説得力がありますが、絵に描いたように行かないのが人の育成です。他者の存在が必要になります。特に管理職の働きは重要です。

 

人が育ち環境を整える

管理職が1番求められるのは業績の達成です。しかし、業績達成だけが全てではありません。部下の育成も重要な仕事です。長期の視点で考えると、人の育成の方が組織の財産となります。育成はきめ細かな指導よりも、どんなタイミングでどんな仕事を任せるかが重要です。そして、新しい仕事を経験した後にリフレクションを促すことです。そして何よりも辛抱強くメンバーに付き合う他ありません。人材開発の責任者は、管理職の負荷を軽減するような人材の配置や、育成をしっかり評価する制度運用まで目配せする必要があります。自律型人材を育成するには、このような職場環境を整えることが、遠回りのようで1番最短距離だったりします。