本記事は2017年11月30日に掲載された記事をリライトしたものです。コロナ禍の今だからこそビジネスパーソンには学習棄却が求められるように考えます。今までの仕事のやり方、常識だと考えられていた商慣習、コロナ禍前に計画などなど。一旦、ゼロリセットで考えるくらいが良さそうです。それでは、記事をお楽しみください。
「AI時代のビジネスパーソンの学びを考える」の記事の中で、今後重要になる力として「学び直す力」を紹介しました。今日は「学び直す力」を掘り下げて考えてみたいと思います。
目次
なぜ学び直す力が大切なのか?
今日の常識が明日の非常識になる時代だからです。ある家電メーカーのメンテナンス部隊の人材育成をお手伝いした時の話です。それまでは家電の修理で大切なスキルは機械屋としての技術でした。しかし、ご存知の通り家電はアナログからデジタルの世界に移行していきました。すると求められるのは、メカに強いスキルではなく、プログラムを含めたITのスキルに変わってきました。さらに、SNS等が普及すると、修理する技術は当たり前前で、むしろ顧客対応力が求められるような時代に変わりました。家電のメンテナンスを生業としている人は、元来、人とのコミュニケーションするよりも機械をいじっていた方が楽しいと感じる人が多いです。でも、技術の進歩によって、最も苦手なスキルが必要とされる仕事に変わってしまいました。このように、環境変化によって求められるスキルは変わってしまう時代に私達は生きています。だからこそ、学び直す力が近年注目されるようになりました。
学び直すには、学習棄却が大切
学び直しには、身につけたことを一度捨てる勇気が必要です。前述した家電メーカーのメンテナンス担当であれば、機械修理に固執するのではなく、デジタルのスキルも習得する。メンテナンス担当だから、修理すればOKと考えるのではなく顧客対応力も磨いてみる。文章で書くと簡単ですが、仕事を一生懸命頑張ってきた人ほど難しいかったりします。自分のアイデンティティを自分で否定するような側面もありますから。
学習棄却の能力を獲得するためには
月並みですが、若い頃から色んな仕事にチャレンジしてみることです。また若い頃に異動や職種転換の経験がある人は、学習棄却の能力を獲得しやすいという調査結果もあります。もっとも、どんな仕事でも熟達化するのに時間がかかるというのも事実です。あまり仕事を変え過ぎてもスキルが身につかないという恐れもあります。
ただ変化が激しい時代。若い頃に、色々な仕事にチャレンジしたほうが良いと私は考えます。若いころは自分のやりたい仕事ができる確率は低いと思います。与えられた仕事に全力で取り組みつつも、自分の興味、関心がある仕事にアンテナを立てておくことが大切なのではないでしょうか。ボンヤリと考えていると、そんな仕事に巡り逢うチャンスも巡ってくると思います。何も考えずに日常に埋没していくことが最もリスキーです。
人生は長いようで短いです。興味があることやりたい事は全てやってしまった方がいいと私は考えます。実行する事で道が開けるというのは、至極当たり前ですが真実ですね。