小学校から高校まで学生として過ごす時間は1万4000時間と言われています。一方、就職して60歳まで勤め上げると6万8000時間をビジネスパーソンとして過ごすことになります。圧倒的にビジネスパーソンとして過ごす時間が多いんです。でも悲しいかな、学習時間だけを考えると圧倒的に学生時代の方が学んでいます。今日はビジネスパーソンの学び方について考えてみたいと思います。
学ぶべき事は全て職場に転がっている
学習というと、資格取得したり、MBAなどのビジネススクールを思い浮かべるかもしれません。もちろんそれらも学習手段として有効ですが、もっと有効な手法があります。それは、「職場で仕事を通して学ぶ」方法です。以前からお伝えしているよに、ビジネスパーソンの成長の7割は職場での経験です。それも少しストレッチした経験が成長に寄与することがわかっています。また組織に所属している以上、組織内で評価される知識やスキルを獲得して結果を出すことが、自身の評価を高め、結果的に高い報酬に繋がります。すなわち獲得しなきゃいけない知識やスキルは資格取得やビジネススクールにはなく、職場にしかないんです。
そうすると、仕事の経験を通して自分の知識、スキルを高めていく視点が重要になります。なんたって6万8000時間も過ごさなくていけないのですから。この時間内でいかに未知の仕事経験をするかが重要になります。しかし、スキルアップに寄与する仕事経験は沢山ありません。数少ない良質な仕事経験をゲットしなくてはなりません。まるでイス取りゲームのように。
成果をあげてチャンスを獲得する
イス取りゲームのイスをゲットするためには、現在の仕事で成果を上げるほかありません。仕事で成果を上げた人間に、面白い、言い換えれば困難な仕事のチャンスが巡ってくるからです。もう一つ大切なのは、自分の成果を上司にアピールすること。自分の仕事をアピールするのは苦手な方が多いと思います。でも、ちゃんとアピールしておかないと横取りする悪い奴も大勢います。アピールのポイントは小まめな報告・連絡・相談です。仕事の成果もホームラン級の仕事でなくてOKです。ヒットをこつこつためていくことです。でもヒットの仕事は地味だからこそ、前述した報告・連絡・相談が大切です。優秀な上司はきちんとあなたの仕事を見ていてくれていますが、上司も忙しいので見切れないのが実態です。だからこそのアピールです。上司側にしてみれば、小まめな報告・連絡・相談があると安心して仕事を任せれますしね。
35歳までの仕事経験が重要
「そんなバリバリ仕事したくないし」と考える人がいてもOKです。その人の人生ですから。一方経営者の立場からすると、成果をあげる人に高い給与を与えたいというのが本音です。慈善事業で雇用しているわけではないですから。すると同じルーティンの仕事をしている人の給与はあげれません。実際、失われた20年の人件費は低水準で抑えられたままですから。やっとここ数年賃上げに舵を切り始めましたが、景気が悪くなればまた抑えられるでしょう。だからこそ自分のバリューは自分で高めていくことが大切です。特に35歳くらいまでに、どんな仕事経験をしておくかが重要になります。若い時は変化に対応しやすいですが、歳と取るにつれ未知の仕事経験に順応するのは辛くなるからです。体力や気力などの個人の問題もありますが、家庭をもったり、親の介護の問題が出てくるとトライしてみたい仕事があったとしてもチャレンジできない環境だったりしますから。無理がきくうちに、ストレッチした仕事にトライしてみる。ストレッチした仕事経験を獲得していくことは、長い仕事人生を考える上でも重要な視点になります。