企業風土が透けて見える
ネットニュースを見ていたら耳を疑うようなニュースが飛び込んできました。吉野家の取締役が早稲田大学の社会人向けマーケティング講座で、自社の若年女性向けマーケティングを「気娘をシャブ漬け戦力」と発言したという内容でした。文字を見ただけで嫌悪感を感じる内容を嬉々として話すところに異様さを感じます。
P&G出身でそれなりに成果を上げてきたようですが、この発言を聞くととても優秀な人材には見えません。吉野家もこんな人物を取締役に据えるとはいい加減な会社だなと思いました。こういう人物を許容する企業風土なのでしょう。この時たまたまの発言ではなく、普段からこの種の発言はしてただろうし、誰も鈴をつけれなかったように感じます。
ディレメンタルリサーチ
アメリカの調査・教育機関であるCCLはリーダーシップに関する研究で有名です。そのCCLで興味深い調査が実施されています。入社後、順調に業績を上げ、部長、事業部長クラスまで昇進しながらも、更なる業績を上げられず降格してしまった人にインタビューを実施しました。失敗した理由の第一位は変化に適応出来なかったです。P&Gでマーケティングを極め成果を出していた自分への過信、驕りがあったのではないでしょうか。P&Gから吉野家への変化、社員から取締役への変化に対応出来なかったのでしょう。
現場の社員が可哀想
現場の社員はたまったものではありません。一杯一杯、目の前のお客様に全力で尽くしきたからこそ、今の吉野家があります。現場もお客様も見ずに、数字データだけ捏ねくりまわしている自称マーケッターに築きあけた信頼を数秒で破壊されたわけですから。
この事象を取締役だけの不適切発言で終わらせるのか、企業風土やガバナンスの問題として真摯に向き合うえるかで吉野家の未来は大きく異なるように思います。