クマ坊の日記

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【人材育成】リバースメンタリングから職場風土を変える

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日本の大企業の1丁目1番地はイノベーションです。人材戦略でもイノベーションを起こすための組織風土づくりに関心が高まっています。人事制度をメンバーシップ型からジョブ型人事制度に変更する、リモートワーク等や副業解禁など働き方の選択肢を増やす、心理的安全性・・・etc  今日ご紹介するリバースメンタリングという施策も同じような文脈で注目されている施策です。

リバースメンタリングとは

これまでは年長者が若手社員に指導するメンタリングが多かったですが、リバースとある通り、若手が年長者のメンターとなるのがリバースメンタリングです。立場が逆転するからリバースですね。多くは世代間のデジタルリテラシー格差解消の手段として導入されています。このリバースメンタリングの始まりは、アメリカのGE社のジャック・ウェルチ氏とされています。当時はまだ普及していなかったインターネットについてベテラン社員に学ばせる目的でスタートされたようです。現在では様々な企業でこの制度は導入されています。有名どころで言うと、資生堂、P&G、3Mとか。

どんな効果が期待されるのか

  1. 新しい知識・スキルの獲得がスピーディーに行える
  2. 若手社員のエンゲージメント向上
  3. 風通しの良い職場風土の醸成

社内の若手社員から新たな知識やスキルを指導されるので、すぐに実行できますし、何よりコストがかかりません。IT研修を外部講師招いて都度開いていたらコストだけでも大変です。学んで欲しいのは、専門的なIT知識ではなく極々基礎的な内容なので社内の若手から教えてもらうのはとても合理的です。我が社でも、初めて導入する技術に関しては若手の方が習熟が早いですし、すぐ仕事に適した活用方法を生み出してくれます。元々、自由な組織風土というのもありますが、若手からベテランに新しいIT知識を指導してもらうのが当たり前の風景です。

2番目は、上司や先輩から頼りにされることで、若手社員の「役に立っている感」が高まるように見えます。便利な使い方や活用方法を若手から教えられると、ベテランのおじさん社員からするとハロー効果も加わり、「凄いー」ともの凄く感謝されます。他者から感謝される経験は単純に嬉しいです。職場で必要とされていると感じることができます。

最後は、このようなやりとりを通して、若手とベテランの関係性が築かれますし、結果として風通しの良い職場風土醸成につながります。コミュニケーション頻度が自然と多くなれば、相互理解も進むものです。

導入の際の留意点

まずは導入の目的の周知徹底です。立場が逆転するので、若手もベテランも当初は戸惑います。特に年功序列が強い組織や、社員の平均年齢が高い職場などは丁寧に説明する必要があります。DXとかITとか、会社として必要だし、職場で働くメンバーも困っているテーマでリバースメンタリングを実施することが肝要です。人事は関係部署への根回しが必須です。また期間を区切るのも重要です。未来永劫、メンタリングし続けるのは若手からすれば苦痛です。期間を区切るというのも、施策を実施する上では大切な視点になります。