クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【book】GE帝国衰退史

 

今日は本のご紹介です。「GE帝国衰退史」タイトルさながら、GEが衰退していく歴史が淡々と綴られています。私が生業としている人材育成の分野においてGEは長らくリーダー育成のベンチマーク先でした。どんな業種、いかなる分野の事業でも優れたマネジメント、卓越したリーダーシップを発揮できる人材を輩出する企業と考えられていました。でも、それは幻想だったわけで。

「光が強ければ強いほど、闇もまた深くなる」が読後の印象でした。

経営者の影響力は改めて絶大だと感じました。GEは結局、顧客への関心に乏しく、本来は結果である数字や株価にばかり関心が行き過ぎたためおかしくなってきたように見えました。また、流行りのバズワードに飛びつき過ぎたようにも見えます。現実を見つめないで、派手な方、手っ取り早く業績が上がりそうな悪手に頼り過ぎました。そして、最後に感じたのは企業風土のパワフルさです。個々人ではおかしいと感じていても、組織内でさ誰も言えない。GEの社員、特に経営幹部となれば、名門大学のMBAを卒業し、ビジネスの世界でも結果を出し続けてきた、トップオブトップのエリートと見られてきた人たちです。そんな人間が多く集まっても、このような経営を実践してしまう恐ろしさを感じました。自己顕示欲が強く、ビジネスの世界では勝者であったからこそ、このような企業風土になった面もあるのでしょうが。企業経営やリーダー育成について考えさせられる一冊でした。