クマ坊の日記

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【人材育成】人材開発担当の部署が変化してきている件

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私の生業は企業の人材育成を支援する仕事です。直接の窓口は人事部や人材開発部といった名称の部門がほとんどです。でも、最近、大企業を中心にその窓口に変化が起きています。今日はそのことについて考えてみたいと思います。

 

 

人材育成は何のために行うか

企業は人材育成に投資します。でもそもそもいったい何故、そんな投資をするのでしょうか?学校じゃないののに。一言で申せば、経営を実現するためです。経営のリソースとしては人、モノ、カネ、時間、情報があります。そのリソースの中でもっとも変化率が高いのが人です。優秀な経営者はそのことを理解しています。だから、人の採用、処遇、育成に注力します。名経営者と呼ばれたGEのジャック・ウエルチさんも経営者の仕事のほとんどは人に関わることと話しています。日本企業も人を大切にしますが、もっつと長期的な視点で捉えていました。終身雇用、右肩上がりの成長などが機能していた時は、ギリギリまで出世の可能性を残すことで社員のモチベーションを高め、組織風土を維持してきました。だから、人材育成に、すぐに結果を出すことはそれほど求めてきませんでした。しかし、その考えが大企業を中心に変化していきます。その最もわかりやすい変化は、人材開発部が事業部内に置かれるようになってきた点です。

 

ジャック・ウェルチ わが経営(上) (日経ビジネス人文庫)

ジャック・ウェルチ わが経営(上) (日経ビジネス人文庫)

 
ジャック・ウェルチ わが経営(下) (日経ビジネス人文庫)

ジャック・ウェルチ わが経営(下) (日経ビジネス人文庫)

 

 研修と仕事の接続が求められる

3000人以上の企業で、本社管理部門以外に人材開発担当部署を設置が増えています。また、本社管理部門においても、人材開発が独立する専門化が進んでいます。欧米では当たり前ですが日本は最近の傾向です。まだ人的リソースの豊富な大企業中心の変化ですがこの潮流は続くように思います。この動きは、各社が現場で実効性のある人材開発施策を求めているということです。この潮流を戦略人事と呼ぶのか、組織開発と呼ぶのかは微妙ですが、どちらにしろ研修と仕事を結びつけたいという意志が内包されているように感じます。

 

人材開発のプロが求められる時代

従来とは違うミッションが人材開発に求められています。当然、社内で人材開発に求められる人材像も変化しています。誤解を恐れずに申せば、以前は人柄の良さと調整能力が求められました。決められた教育を決められた対象者に滞りなく運営することがミッションですから。受講者の不満もしっかり受け止める人柄と、各部門との調整力がなによりも必要でした。実効性のある人材開発施策を実行するとなると必要になるのは、

  1. 研修企画力
  2. 人材開発に関する専門知識
  3. 組織に働きかける力(リーダーシップ)

の3点でしょう。実効性のある人材開発施策はオーダーメード型に必然的になります。新たな企画をする際には専門知識も必要ですよね。そして、一番求められるのは組織に働きかけるリーダーシップです。結果をだすには一筋縄ではいきませんから。課題はこのような人材開発のプロフェッショナルは圧倒的に人数が少ないということです。やはり、最後は人の問題にいきつくようです。