コーポレートガバナンスコードってご存知ですか?株をやっている読者の方々には馴染みがある単語かと思います。阿部政権が掲げる成長戦略のもと、上場企業のコーポレートガバナンス強化が推進されてきました。2015年に「コーポレートガバナンス・コード」が策定され、昨年、海底されました。この動きが、経営にどんな影響を与えるかを考えてみたいと思います。
企業と株主の関係
昔は企業の株主の主体は銀行でした。お金貸す代わりに、株式を取得しました。そんな銀行が企業に求めたのは一言でいえば"安心と安定”でした。だから、中期経営計画で求めたのは網羅的・総花的な計画でした。だって、分かりやすい資金返済計画が欲しいですから。配当に関しても、求めたのは安定配当です。業績が良くても悪くても安定的に配当されることが何よりでした。でも、現在の株主が求めているのは"成長”です。極論すれば、株主が知りたいのは極論すればら"成長のSTORY”であり、"経営資源を効率よく配分できてるか”だけなんですね。配当も大事ですが、それ以上に期待するのが成長なんですね。
プロフェッショナルが求められる
成長に応えるためには、プロフェッショナルなマネジメントであり、プロフェッショナルな経営です。実際、コーポレートガバナンス・コードの中では「マネジメントのプロフェッショナル」を求める項目が明記されています。この事は日本企業の人事施策に大きな影響を与えるように見えます。日本企業は採用時は優秀な人材を採用します。「こんな仕事がしたい」「仕事を通して、こんな社会貢献したい」と大なり小なり希望を抱いて入社します。しかし、企業が求めるの、やりたい事ではなくて、やらなくてはいけない事です。そうやって能動的な人材が受動的な人材に変わっていきます。ビジネスモデルが機能している時は、無駄なこと、効率の低いことをやってもらっては困るので、社員に滅私奉公的な事を求めるのは理にかなっていたのですが、現在は正解がない時代です。企業の成長にはイノベーションが不可欠です。すると能動的な人材を企業は求めます。自ら課題を設定し、能動的に動き、成果をだせるプロフェッショナルな人材です。
伝統的な人事部では、変化に対応できない
プロフェッショナルな人材を育成、輩出することを期待される人事部ですが実態は厳しいです。何故なら従来の人事部の役割とは異なるからです。従来の役割とは前述したような、会社に忠実な社員でしたから。しかし、現在求められているのはプロフェッショナル人材です。人事部の仕事のやり方が180度方針転換となったのです。マネジメントの質、人材育成の質がより企業の競争優位を左右する時代に変化しているという事です。