クマ坊の日記

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【マネジメント】なぜ合理的に企業不祥事は起きるのか

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最近、NISSANの西川社長が辞任しましたね。カルロス・ゴーンを追い出した本人も同じ穴の狢だったという話です。企業不祥事はNISSANに限らず多くの企業でニュースになっています。データ改ざん、コンプライアンス違反等々と記憶新しいものもあるかと思います。今日は企業不祥事について考えてみたいと思います。

 

 

悪い奴が誰だか分からない

冒頭、NISSANの話を出しましたが、日本企業の不祥事としては稀有な例のように見えます。何故なら首謀者がハッキリしているからです。欧米企業で不祥事が発覚すると、悪巧みを企だてた首謀者が明確なケースが多いように感じます。一方、日本企業の不祥事でよく見るのは、社長や経営陣が現場で何が起こっているか把握していない光景です。「えー、その点については調査中でございまして💦」これは逃げ口上ではなくて、本当に何が起きているかを知らないケースがほとんどです。なんでこんな事が起こるかというと、グレーな仕事が多いからです。グレーと書くとイメージ悪いですかね。曖昧な仕事、曖昧な指示の文脈を読んで成果を出してしまう優秀な社員が多いからです。まあ、一言で言えば現場が優秀だったんです。しかし、その現場力が強いというのも幻想です。非正規労働者の割合も増え、昔のような阿吽の呼吸での仕事は再現できません。でも、経営者は阿吽の呼吸で仕事してきた人なので、「現場が何とかしてくれる」「現場が何とかするもんだ」と考えてしまうんですね。かたや現場は、「社長や取引先に迷惑かけられない!」と現場力が弱っているのに、忖度して不正を犯してでも対応してしまいます。

 

企業不祥事は合理的に起きる

現場が社長や顧客に忖度して不祥事が発生します。もう少し詳しく考察すると、社長や顧客から無理難題が突きつけられた時、その要求を拒否しようとすると、出来ない理由を説得、交渉するために見えない取引コストが発生するわけです。説明しても理解してくれないし、逆にプレッシャーをかけられる。不正をしてでも要求に応えた方が楽だし、合理的であると言う不条理な罠にハマってしまいます。

 

じゃ、どうするんだ?

現場も経営も対話ができるの風土を醸成するしかありません。そのためには、効率性ではなく付加価値に焦点を当てる経営が求められます。しかし、これは現代の経営においては至難の業です。だって株主は株主利益の最大化。すなわち効率性を経営者に求めるわけですから。付加価値とは相対する思考だったりします。利口な投資家は付加価値に着目しますが、変化の激しい時代に付加価値が目利きできるのはごく少数でしょう。(だからこそ儲かるのですが)