クマ坊の日記

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【経営】東芝を見ながらガバナンスを考える

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日本を代表する企業だった東芝の経営が酷いことになっています。東芝の混乱を見ながら企業のガバナンスについて考えてみたいと思います。

www.bloomberg.co.jp

 

 

酷すぎる東芝の経営

2015年に東芝は2300億円以上の粉飾決算をして凋落の一途を辿ります。10,000人以上をリストラし、将来性のある事業を売りまくります。この粉飾決算の原因となったのが、2006年に買収した原子力発電メーカー、ウエスチングハウスの買収でした。買収したがいいが実はもの凄い借金を抱えていた投資案件だったというわけです。ただ、当時は経済界もマスコミもこの買収劇を称賛していました。当時ね社長である西田氏は選択と集中を実践した名経営者ともてはやされていました。内実は借金を埋めるためにチャレンジという名の、過剰なノルマとパワハラが横行し挙げ句の果てに粉飾まで手を出してしまうわけです。その後、一から出直して真っ当な経営を目指したのかと思っていたら、更に酷い経営をしていたという話です。何をしたかと言うと、東芝に出資していた物言う株主であるアクティビストの取締役人事案を避けるために、経産省と共謀して不当な圧力をかけたと言う嫌疑がかけられています。アクティビストの提案は至極真っ当な提案でした。それを国と共謀して妨害するなんて。東芝は日本の国防上、重要な原子力発電の中核を担っている企業です。でも、上場している企業なわけです。広く株主から出資を受けているわけです。そんな企業が裏で八百長していたら、日本の株式市場の信頼性に関わることです。また、経産省は企業のガバナンス強化を推進しついる省庁なわけです。まあ、やってることは滅茶苦茶です。

 

ガバナンスなんて強化できない

日本企業は2000年代初頭の企業不祥事が続いてからコーポレートガバナンスを強化してきました。コーポレートガバナンスとは、乱暴に申し上げれば経営者が暴走しないように鈴をつける事です。そのために、内部統制の仕組みだったり、社外取締役を設けたりするわけです。東芝にも立派な経歴の社外取締役がいましたが、結果的には経営者の暴走を止めることはできませんでした。社外取締役はやはり社外ですから社内で起こっていることは分からないわけです。しっかりした確証がなければ経営にイエローカードも出せません。むやみやたらにイエローカード出したら社外取締役としての資質を問われますしね。つまり、色々仕組みを作ったとしても最後は経営者が自分自身を律せないとしょうがないように思います。

 

徳がある者を経営者に据える

西郷隆盛の言葉に「功ある者には禄を徳あるものには地位を」という言葉があります。とても人の本質を言い当てている言葉だなと思います。能力がある人、スキルが高い人、成果を上げた人には「禄」つまり「お金」で報いればいいのであって、組織のトップに据える人は徳が高い人を選びなさいと言う事です。戦略

 

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