私は仕事柄、様々な企業にお邪魔させて頂きます。色々な組織を見るのは楽しいですし勉強にもなります。社員がイキイキとしている組織風土はどのように形成されていったのかを分析するのは難しいのですが、駄目になっていく組織の特徴は分かりやすいです。今日は駄目になる組織について考えてみたいと思います。
粉飾決算をしていた企業の話
大昔になりますが、ある企業から依頼を受けて研修を担当させて頂きました。研修を実施するにあたって、その会社オリジナルのケースを作成することになりました。作成のために、一般的に公開されている自社情報の提供をお願いすることになったのですが、待てど暮らせど一向に情報が開示される気配がありません。。。情報を開示するためには、様々な関係者の許可が必要で、また社内で決まった何重もの手順をクリアしなくてはいけません。結局、その時は恐ろしいほどの複雑な手順と調整が必要な関係者の多さに壁壁してオリジナルケースの作成を断念しました。その企業には後日談があり、8年後にその企業は粉飾決算をしているのが公になり潰れてしまいました。やましいことがあったから、当時は情報開示出来なかったのだと思いました。
ルールが増えたら要注意
前述した粉飾決算の企業は完全にアウトですが、組織が駄目になる兆候としては参考になることがあります。それは、意味のない仕事が増える事と、社内手続きが増える点です。駄目になる組織は、内向きの仕事が増える傾向があります。ビジネスモデルが成熟しすぎていて、要するに暇な人が増えるわけです。でも、本人的には暇なんて思いもしません。良かれと思って余計な仕事を作りつづけてしまいます。
もう一つが、社内手続きが増える点です。古いルールや手続きなどがそのまま残り、さらにその上に新しいルールが上書きされる。社内ルールが複雑怪奇化するわけです。本来であれば、古いルールが壊され、新たなルールが作られていなければなりません。
内向きな仕事が多くなったと感じたり、社内の謎ルールが増えたら要注意です。