クマ坊の日記

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【経営】青天を衝けとパーパス

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私は昔から歴史が大好きでした。日本の歴史で大好きなのは、戦国時代と明治維新NHK大河の青天を衝けもなんとなく観ています。そんな大河を見ながら、これからの企業経営についても想いを馳せてみたいと思います。

 

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青天を衝け

身分や地域や年齢を問わず、多くの人々が参画することで明治維新は実現しました。人々の閉塞感や危機感やそれぞれ思惑が交錯しながら、日本は近代国家への歩むことになります。「攘夷」「維新」「倒幕」キーワードは違えど、自分から行動を起こさねばという衝動に駆られて動き始めたことが大きな畝りに繋がっていきます。大河のタイトルである「青天を衝け」は主人公である渋沢栄一が若い時に読んだ句の一節です。信州の厳壁である内山峡を見ながら詠んだ詩の一節だそうです。どんな困難にぶち当たっても「肘をまくって」「手にツバをつけて」でも壁を乗り越えてやると言う意気込みを詠っています。渋沢栄一の詩ですが、当時の人々の時代感とも重なっているような気がして、いいタイトルだなと感じていました。

 

日本経済を取り巻く閉塞感

日本経済はコロナで大変ですが、実はコロナの前からも元気がありません。失われた30年なんて言われます。株式市場の数字を見てもアメリカはこの30年で平均株価を9倍に。ドイツは7倍です。日本は下がっています。時価総額こそ、多少増えていますが微々たるものです。個人で見ても1人あたりの所得は下がる一方です。企業から生み出される商品、サービスもイノベーションを感じるものは少なくなっている印象です。原因は業種や企業毎で様々ですが、凄く乱暴な感想を申し上げると、これまでグローバルスタンダードと呼ばれてきた経営のやり方に限界が出てきているように思います。上場会社は株主への責任があります。株主の期待に応えるために短期業績を必達し、株式価値の最大化を図る。実際、日本企業の多くはこの30年間でROAROEなどの指標をいかに高めていくかが最大の関心事だったように思います。でも、マーケットから求められてきたことに対して、真面目に応えてきたからこそです。

 

ビジョンとミッションとパーパス

企業は数字目標とは別に、中長期的なビジョンやミッションを掲げています。ビジョンはその企業がありたい姿。ミッションはどうやってありたい姿を実現するのかを示したものです。最近、経営者の間でホットワードになっているパーパスとはその企業が存在する意義です。ほとんど言葉遊びのようで違いが分かりませんよね。私はこのように解釈しています。ビジョンは企業から発信されるありたい姿。パーパスは企業だけでなく、社会の人々も共感できるありたい姿です。昔は、企業の掲げるビジョンは社会から求められるものとニアイコールだったのだと思います。人々の価値観も似ていましたから。良い商品、サービスを提供したい、それらを通して社会に貢献したいでしたいを掲げ、社会からも要請されていたわけです。現在は価値観が多様化しています。いい商品だけど、環境に優しいの?人権に配慮して作られてる?その一方で、もっと利益は上げられないの?成長性は?なんてことも問われるわけです。でも、こんな時代だからこそ、より多くの人々から共感されるビジョン、言い換えればパーパスが改めて問われているのだと思います。働く側の価値観も変わっています。今の小学生が成人する頃にはもっと変わるでしょう。働き方もリモートや副業だったり多様化します。容易に遠心力が働き、企業経営やマネジメントが複雑性を増すのは容易に想像できます。そういう意味でも、多くの人々が共感できる企業の存在意義や働く意味づけが、経営格差に直結すると私は考えます。