クマ坊の日記

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【経営】イノベーションと失敗の文化

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日本企業の課題の一丁目一番地は「イノベーション」既存のアイデアとアイデアが結合することでイノベーションは生まれる訳ですが、これが難しい。難しい理由をもう少し考えてみたいと思います。

出会うのがそもそも難しい

経営者もイノベーションを切望しています。そして、イノベーションが既存のアイデアとアイデアの新結合である事は百も承知です。コロナ後に多くの企業で起きた、中期経営計画の変更や企業間合併や買収の動きを見ても明らかです。SONYとHONDAで車作りますとか、トヨタやNTTやNECなど業界が異なる日本企業10社が集まって次世代半導体の会社作るとか。明らかにイノベーションを狙っていますよね。日本企業はイノベーションを生み出すのが下手だと書いていますが、そもそも近い所ではさんざん知の結合を行ってきました。系列内とか同じ業界内とか。イノベーションが成功したから、素晴らしい製品、サービスを日本企業は生み出してきたわけです。ある意味、イノベーション慣れしているようにも感じます。ここと組めば、この技術と組み合わされば、ブレークスルーできるかもしれないということをやり尽くしてきました。今までやってきたイノベーションには、大前提がありました。それはゴールが明確であったこと。しかし、今求められているのは、そもそものビジネスモデルを変えてしまうようなビックピクチャーを描くことです。そうなると、新結合の相手は業界内とか系列内とかでは収まりません。母を訪ねて三千里どころの距離でも収まりません。イノベーションに繋がる出会い自体の難易度が格段に上がっているのが現代です。

 

あいつら何やってんだ問題

イノベーションの難易度が格段に上がっている事も経営者は理解しています。だから、社員にチャレンジプルな動き方を期待します。新規事業開発等の担当者は、使命を受けて活動します。しかし、周囲の反応や受け止め方は異なります。新規事業の開発担当者は、知の結合を求めて飛び回りますが、本業を担当して部署やそこで働く社員からすると、「お金ばかり使って何やっているんだ?」「成果も出さずに、あちこち出かけているようだけど大丈夫?」「いっこうに新規事業立ち上がらないのだが」スタート当初は歓迎ムードでも、一年も経つと向かい風に変わっていきます。新規事業開発担当も人ですから、社内のプレッシャーに抗うのは大変です。心身共に擦り減らします。

 

失敗の文化を醸成する

大きなイノベーションが日本の大企業で起こりづらいのは、企業文化と大きく関係しているようにも思います。既存事業の成長に最適化されるように、企業文化も醸成されていきます。イレギュラーなイノベーションに拒否反応が出るのは致し方ない話でもあります。失敗を許容する文化をどのように醸成するかが、大企業がイノベーションを起こす上での、本質的な課題なんだと私は考えます。