失われた20年とか30年とか言われて久しいですが、日本企業の時価総額はなかなか上がりません。正確には上がってはいるのですが、欧米や中国の企業と比べると上昇率が低いのが実態です。色々な要因はありますが、総じて日本企業がイノベーションを起こせていないことに起因しています。今日はなぜ日本企業がイノベーションを起こすのが下手なのかを考えます。
イノベーションとは新結合
イノベーションとは何かと問われれば、既存のアイデアとアイデアがぶつかって生まれる新結合を指します。経営学的には90年も前にシュンペーター先生が考え方を定義していました。日本企業も戦後、多くのイノベーションを起こし経済発展してきました。
なぜイノベーションが起きないのか?
モノづくりの世界では数々のイノベーションを起こしてきた日本企業ですが、ITの世界ではGAFAのような、世界的なスタンダードを作り出す企業を生み出すことはありませんでした。昔に比べて個人の能力が落ちているのでしょうか?私はそうは思いません。寧ろネットを介して、世界中の人、モノ、金、情報にアクセスできるわけですから、寧ろ人材の質は上がっているように考えます。では、なぜイノベーションが起きづらくなっているのでしょうか。シュンペーターが主張するように、既存のアイデアの組み合わせです。離れた距離にあるアイデア同士が組み合わさったほうが、より破壊力にあるイノベーションが生まれると考えられています。でも、離れた距離にあるアイデア同士が出会うのは難しい。だってそもそも出会わないし、出会えるかどうかも分からないアイデアにリスク冒して探しにいきませんから。
イノベーションを探して三千里
母を訪ねて三千里のように、リスクを許容しながら出会いの旅に出発するのは難しいです。何故なら企業は生産性や利益をステークホルダーから期待されるからです。無駄なこと、成果が出るかどうか分からないことには、手を出すのは難しいです。主人公のマルコのように、挫けそうになっても心の糧となる目標も必要ですし、アメデオのような相棒も必要です。腹を括らないと、イノベーションを起こすのは難しいように考えます。