リーダーシップについて学んでいると、エンパワーメントという言葉に触れる機会が多いです。empowermentという表記になります。使い方を間違えると現場は大変苦労します。今日はエンパワーメントについて考えてみます。
エンパワーメントとは
ビジネスの世界では、「権限の移譲」なんて訳されることが多いです。元々はアメリカの公民権運動の中で提唱された概念です。黒人だったり、女性だったり、抑圧されていた人たちをもっと尊重しなくてはならない。彼ら彼女らが本来持つ力を尊重してその力を引き出すかが自立に繋がるという文脈で使われたようです。社会変革の中で生まれ育ってきた言葉です。この変革というキーワードは、ビジネスとも相性がいい響きです。企業変革のリーダーシップの中でエンパワーメントも使われるようになります。リーダーはビジョンを示すだけでなく、エンパワーメントしなくてはいけない。現場に権限移譲し、社員が自律的に動きだすようにしないと駄目ですよという話です。
勘違いする管理職
変革型リーダーシップの話をすると、本来はエンパワーメントの話もしなくてはいけないのですが、私は話さないことが多いです。変な使われ方を危惧するからです。変な使われ方とは、権限と一緒に「責任」までメンバーに移譲してくれる残念な管理職がいるからです。責任まで移譲したら、上司の役割なんなの?そんな上司必要なのか?って話ですが、失敗したらメンバーのせい。成功したら俺のおかげなんて人もいますから。寧ろ多いと言ってもいいかもしれません。
また、日本企業の職場は従来から割とワイワイガヤガヤ現場発で改善提案をするのが得意のように見えます。だから、あまりエンパワーメントとか声高に話さない方が良いように考えます。エンパワーメントを重要視する企業や職場は逆にトップダウンで一方通行すぎるから叫んでいるのではと私はうがった見方をしてしまいます💦
管理職自身が振り返る
現場から思ったような改善提案やアイデアが出て来ないのであれば、エンパワーメントより寧ろ管理職自身の態度、言動、行動を振り返るべきでしょう。メンバーから提案が出てきても自分が望まない内容であればスルーする。アイデアを求めていながら管理職自身に答えがあるのをメンバーが気づいている。メンバーのアイデアについ自分ね付加価値をつけようとする。答えは管理職や経営側にある場合が多いように見えます。